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 もちろん、この価格には相応の理由がある。ツァイスといえばカメラレンズや双眼鏡なども手掛けるドイツの名門。じつは同社では眼科医療機器も手掛けており、メガネレンズの開発にも眼科医療での知見が生かされている。

 度数を測定するための機器から自社で開発しているのが特徴で、つまりは測定の段階から大きな違いがあるのだ。ここからは少々専門的な説明となるが、それこそがツァイスの独自性となるためご容赦いただきたい。

独自の測定器で“見えづらさの原因”を数値化

 ツァイスのメガネレンズは「クリアで鮮明な視界」に定評があるのだが、それを可能にしているのが独自開発の測定器「ZEISS i.Profiler®plus(ツァイス アイプロファイラープラス)」だ。

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 従来メガネを作る際は瞳孔の中心部3mm程度を測定するのに対し、ツァイスでは瞳孔全体を測定することにより、より精密な眼の収差データの計測を実現。高次収差(角膜の凹凸や、それによる光の拡散)が数値化できることで、従来の測定ではわからなかった“見えづらさの原因”を知ることができる。

筆者の目の収差をデータ化したもの。上段が昼間で下段が夜間を示しているが、瞳孔の大きさには昼夜で2mmの差があり、左右ともに度数にも差があることがわかった(画像提供:カールツァイスビジョンジャパン)

 また、人の眼は夜間になると瞳孔が大きく開いてくるために昼間の見え方と差が生じるのだが、この機器では光を調節して夜間の見え方も同時に測定。その結果を解析することで、昼も夜もよく見える度数を導き出すことが可能に。

 しかも、その度数は0.01単位で導きだされ、その超精密な度数をレンズの設計に反映できるのも特筆に値する点。一般的なレンズの度数は0.25刻みであるから、より精度高く、自分に適した度数で作ることができるというわけだ。

自分の顔に合わせてオーダーメイド

 また、メガネを掛けたときの見え方は、耳の高さによるレンズの傾き具合やフレームの形によっても変わってくる。