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 ツァイスではメガネをあつらえるために必要な「瞳孔間距離(左右の瞳孔間の距離)」や「フレームと目の位置」などのデータを「ZEISS VISUFIT 1000(ツァイス ビジュフィット1000)」という9台のカメラを搭載した機器を使い、ワンショットで正確に計測。自分の顔、そして着用するメガネに合わせることで、その性能を最大限に生かした完全オーダーメイドのレンズが出来上がるのである。

ビジュフィットでの計測。半円状の部分に9台のカメラが設置され、機器の前に立つだけで必要なデータを高い精度で計測できる(画像提供:カールツァイスビジョンジャパン)

 製品ラインナップも豊富なのだが、私が選んだのは車の運転に最適化された「ツァイス ドライブセーフレンズ」というもの。私自身は運転しないのだが、雨や夕暮れなど暗い環境での視界が向上し、なおかつ対向車や街灯の眩しさを軽減する機能を備えていることに魅力を感じ、このレンズを選んだ。

独自のテクノロジーが瞳孔サイズの変化を考慮し、雨や夕暮れなど暗い環境での視界を向上させる(画像提供:カールツァイスビジョンジャパン)

 完成したメガネの見え方はといえば、とにかく視界が明るく鮮明なことに驚かされる。加入度+0.75度の遠近両用にしたが、ユレや歪みもほぼ気にならず、物の輪郭がはっきりとして景色に奥行きが生まれた。とくに薄暗い夕方や夜間の見え方が段違いで、バスの行き先を示す電光掲示や道路の案内標識などがぐっとクリアになった。

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 これまで多くのレンズを試してきたからこそわかるが、使用するレンズによって視界は変わる。シーンに最適化されたレンズを選ぶことで、より快適な視界が得られることは、正直もっと知られるべきだと思う。ただし、効果が感じられるかどうかは人それぞれなので、眼鏡店と相談のうえテストレンズでの確認は必須であることは付け加えておきたい。そしてもちろん、快適に使うためにはシーンに適した度数で作ってもらうことが大前提だ。

しめて20万円のメガネが完成

このフレームはチタン製で軽く、安定感のある掛け心地が魅力(筆者撮影)

 ちなみに、このハイグレードなレンズのお供に選んだのは、「One/Three Compound Frame(ワンスリー コンパウンドフレーム)」というブランドのメタルフレーム。シンプルかつ洗練されたデザインに加え、掛け心地の良さで私が信頼を置くブランドだ。このフレームが税込みで3万9600円なので、メガネとしての合計金額は約20万円に。

 決して安くはない買い物だが、毎日使うことを考えれば、2年の使用で1日のコストは約270円、3年使えば約180円。それで快適な視界が手に入るのであれば、これぐらいの贅沢はしても良いのではないかと思えるのである。