阪神タイガースが11月5日、1985年以来実に38年ぶり2回目となる日本一を果たした。

日本一を決め、胴上げされる岡田監督 Ⓒ時事通信

 縦縞のユニフォームを着た人々は、誰と約束したわけでもなく自然とその足を道頓堀・戎橋へと向かわせる。

 阪神優勝といえば道頓堀――ファンであろうとなかろうと、脳裏に刻まれたこの自明な連想を誰が妨げることができようか。

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 59年ぶりとなる関西対決でオリックスバファローズ相手に先に王手をかけた阪神。4日の第6戦では山本由伸に抑え込まれ、3勝3敗で第7戦を迎えた。試合に先立ち、大阪府の吉村洋文知事はSNSでこう呼びかけた。

〈泣いても笑っても今日、日本一が決まります。どんな結果でも道頓堀川には飛び込まないようお願いします。危険です。過去には死亡事例も出ています。周りに迷惑をかけない形で喜びを分かち合いましょう〉

阪神なら1300人、オリックスなら100人

 飛び込めば体を打ったり溺れたりする可能性があり、実際に2003年のリーグ優勝時には飛び込んだ男性1人が死亡した。水質も極めて悪いため病気の危険性もある。飛び込むまでいかなくとも、人がごった返せば雑踏事故のリスクもある。

 吉村知事は9月のリーグ優勝の時にも同様の呼びかけをしていたが、その制止も空しく18年ぶりの歓喜に沸いたファン26人が道頓堀に飛び込んでいる。

 大阪府警も神経をとがらせ、阪神が日本一になった場合、約1300人の超厳戒態勢をとると予告していた。ちなみに、オリックスが日本一になった場合は約100人の態勢を予定だったという。