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青学の駅伝ランナーが「トークもうまい」のは偶然ではない…原晋監督が選手探しでひそかに重視していること

source : 提携メディア

genre : エンタメ, スポーツ

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箱根駅伝で勝つこと、それは青山学院の陸上長距離ブロックにおける存在価値そのものにつながっているのが、ここ数年でハッキリしてきたように思う。私も、学生たちが「ウチは箱根駅伝で勝つことがすべてですから」と話し、メンバー入りを熱望する声を聞いてきた。

大学陸上界全体のこうした動きに、有望な高校生たちは敏感に反応している。高校生のなかでもエリート中のエリート、将来は世界で勝負したいと思っている学生たちは、海外に積極的に進出している学校を選ぶ傾向が強くなってきた。

特に、三浦を抱える順天堂大にはスピードランナーが集まりつつあるし、吉居兄弟がシンボルの中大に関心を寄せるエリートが増え、かなり早い段階で志望校として決める学生が増えた。中大は駅伝でも復活基調にあり、こうした勢いのある学校は、学生にとって魅力がある。

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そうなると、青山学院のリクルーティングにおけるポジションが変わってくる。これまでも世代トップのランナーが入学はしていたが、このところは「駅伝が好き」な学生が青山学院を選ぶ傾向が強くなっている。2020年に入学した佐藤一世は「駅伝が大好きで、青山学院で優勝したかったので、青学を選びました」と話している。

箱根駅伝を重視する原監督と、駅伝というチームスポーツに惹かれる高校生は相思相愛ということになるわけだが、私の推測では、原監督も青山学院の学生、そしてOBから日本代表を出したいと思っているはずだ。

これまでの原監督の手法としては、学生のうちからフルマラソンを経験させ、土台を作ってから社会人に送り出すというスタイルを採ってきた。その流れのなかで、吉田祐也(GMOインターネットグループ)や、2023年の別府大分毎日マラソンで日本学生記録をマークした横田俊吾(JR東日本)が学生時代に好結果を残してきた。また、トラックでは田村和希(住友電工)が東京オリンピックの代表まであと一歩に迫るところまで力を伸ばしている。