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《埼玉本庄5歳児虐待死》理想の夫婦は「籠池夫妻」“魔女”石井陽子に狂った内縁夫の「逮捕当日プロポーズ」「チェーンソー奇襲未遂」

《埼玉本庄5歳児虐待死》理想の夫婦は「籠池夫妻」“魔女”石井陽子に狂った内縁夫の「逮捕当日プロポーズ」「チェーンソー奇襲未遂」

埼玉本庄5歳児虐待死公判#9

source : 週刊文春Webオリジナル

genre : ニュース, 社会

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新たな“金づる”として同居人に加えたられた知香

 2021年1月。石井が新たな“金づる”として同居人に加えたのが、夫のDVから逃れて行き場所を失っていた知香だった。石井は、派遣社員として働いていた知香のカード類や通帳も管理。そして丹羽と知香は、元保育士を騙る石井の説く“躾”を正しいものと信じ込み、知香が連れてきた息子の歩夢くんに虐待行為を繰り返すことになるのだ。

柿本知香被告と歩夢くん(柿本のフェイスブックより)

 石井を妄信した理由について、法廷で「愛していたから」と証言した丹羽。理想とした夫婦が、学校法人「森友学園」の補助金詐欺事件で罪に問われた元理事長の籠池泰典氏とその妻だった。

「関西で捕まった籠池夫妻は、逮捕されて何百日勾留されても、(2018年、籠池氏の保釈後の)会見で『こうやって会えて嬉しい、相思相愛だからよかったね』とか『パパ、かっこいい!』というやりとりをしていました。愛情表現の一つとして、私たちも笑い合ったタイミングで、『相思相愛でよかったな』という話をしていました」(丹羽)

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 ところが――、柿本母子との同居が始まっていた2021年夏、歪な“一家”に事件が起きる。丹羽の約1年におよんでいた浮気が発覚するのだ。

浮気相手の嫌がらせを疑い…丹羽の起こした“チェーンソー騒動”

「私はどっちにもバレたくないな、傷つけたくないなと思っていたのですが、相手が我が家にやってきて、石井さんと話をしたことで発覚しました。私の天秤は石井さんの方に傾きました。どちらかを選ぶとすれば石井さんの方でした。真実を話して、何度も謝罪しましたが、なかなか許してもらえませんでした」(丹羽)

 前出の丹羽の親友Aさんが振り返る。

「相手は、丹羽が当時働いていた派遣先で知り合った女性だったようです。相手が妊娠してしまい、話し合いの結果、おろすことにしたと。丹羽は石井に内緒で連絡してきて、中絶費用を貸して欲しいと言ってきました」

 丹羽による“チェーンソー騒動”が起きたのは、そんな修羅場のさなかだった。

「石井さんから私の車の中に浮気相手のピアスが落ちていると言われ、確かにそれはありました。でも車を掃除する度に、またピアスが出てくる。覚えのない避妊具が見つかったことも2、3回ありました。私は、もしかしたら浮気相手が車にリレーアタック(※不正にロックを解除する手口)をして嫌がらせをしているのではないかと。また、石井さんから問い詰められてイライラしていることもあって、チェーンソーを持って相手の家に向かおうとしました。家には鍵がかかっているだろうから、ぶった切ってやろうかと思って」(丹羽)

 石井と知香が止めに入って事なきを得たが、石井は2021年12月頃まで何度も丹羽の浮気の件を蒸し返した。ただその間、石井は消沈気味で、歩夢くんに矛先が向く機会は減っていたという。しかし、年明けの1月18日、食事中にお漏らしした歩夢くんに腹を立てた石井は、知香と丹羽に「相撲を取ったら?」と体罰を誘導。結果、歩夢くんは後頭部強打による脳幹損傷で息絶えてしまう。

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