若かりし頃の窪塚の面影があるビジュアル
父よりも高い182センチの長身につるっとした顔立ち、どちらかといえばベビーフェイスで可愛らしい印象だが、そのビジュアルには若かりし頃の窪塚の面影がある。
愛流が役者の道へ進むきっかけとなったのは映画の現場だった。父が出演するドキュメンタリー映画『プラネテイスト』の撮影を見学していたところ、豊田利晃監督からスカウトされ、オーディションを経て、2018年の映画『泣き虫しょったんの奇跡』で松田龍平が務めた主人公の少年時代を演じることになったという。
一時期は心配した窪塚が現場で見守っていたそうだが、本格的に芸能活動を始動した2021年から、さまざまな作品で見かけるようになった。映画化もされた『ネメシス』(日本テレビ系/2021年)や秋元康原案の学園ドラマ『差出人は、誰ですか?』(TBS /2022年)、現在は『あたりのキッチン!』(東海テレビ・フジテレビ系)に出演中で、初主演映画『ハピネス』の公開も控えている。
若手実力派キャストが揃う学園ドラマに出演
窪塚の息子なのだから窪塚のDNAを感じるのは当たり前だと思うかもしれないが、なにも見た目だけの話ではない。セリフの声やたたずまい、まだ粗さが残る部分はあれど、“ただものではない”と思わせる圧倒的なオーラに、窪塚を感じるのだ。
愛流が1人の俳優として“覚醒”すると同時に、多くの視聴者に窪塚家のカリスマ性を見せつけた作品が『最高の教師~1年後、私は生徒に■された~』(2023年/日本テレビ系)だ。卒業式当日、生徒の誰かに突き落とされて命を落とした教師・九条里奈(松岡茉優)が、1年前にタイムリープし、生徒たちと改めて向き合うことで最悪な事態を防ぐために奔走する学園ドラマである。芦田愛菜や加藤清史郎、奥平大兼といった次世代を担う若手実力派キャストの中に愛流もいた。
学園ドラマひとつをとっても、窪塚と愛流の時代では、その作品の流れが大きく変容している。たとえば『GTO』や不動の名作『金八先生』シリーズ(TBS系)、社会現象を起こした『女王の教室』(日本テレビ系/2005年)など、かつての平成の学園ドラマは、圧倒的なカリスマ性を持つ教師が生徒たちを導き、彼らを苦しめていた問題から救済することこそを、物語の“ゴール”としていた。
あらゆる試験を替え玉受験で乗り切ってきた鬼塚のような教師(『GTO』)だとしても、生徒たちの心を射止めるのは優秀な学歴を持つエリート教師ではなく、人生を教えてくれるグレイトティーチャーなのである。