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どれがいいとか悪いとかじゃなく、いろんな価値観がある

 海外ブランドのショーに出演するために、中国にも行きました。わたしは頬骨が出ているのを気にしていたんですけど、アジア系のモデルさんは、エラが張って、頬骨が高くて、目が細いことを、むしろ武器にして活躍されていました。自分の価値観って小さかったなと思いましたが、自分の身近な人は「二重でまつ毛ぱっちりが可愛いよね」という考え方で。

 どれがいいとか悪いとかじゃなくて、いろんな価値観があることを学んだ時期でした。 

モデル時代の赤井沙希さん(『強く、気高く、美しく 赤井沙希・自伝』より)

 余談ですけど、芸能界で活躍しているある方が海外のショーに出たとき、乳首が透けていたことがあったんです。透けている素材のお洋服なので、むしろニプレスを着けるほうがヘンなんですけど。なのに週刊誌が「透け乳首を激写!」みたいなことを書いていたんですよね。マスコミって嫌だなあと思った記憶があります。それこそ、いろんな価値観があるんだなって。

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 そうやっていろんなことを吸収しながらも、「明日も唐揚げ定食を食べるぞ!」みたいなスタンスは変わりませんでしたね(笑)。

写真集の発売が決まるも……

 17歳のとき、所属していた事務所から「ちゃんとデビューしよう」と言われました。「え? いままでのはなんやったん?」と思いましたけど、当時は写真集を出すことが正式なデビューとされていたんですよね。

 グラビアではなくて、あくまでもモデルとしての作品撮りということで、綺麗な感じでした。タイトルは『Saki』。そのときは沙希という芸名だったんです。「世の中にわたしのことを知っている人なんていないのに、だれが買ってくれるんだろう?」と不安でいっぱいでしたが、やれるだけやってみようと思って、猛ダイエットしました。身長173cmくらいで58kgくらいあったんですけど、運動と食事制限で48kgまで落としました。

 写真集の発売がリリースされることになり、「頑張ったかいがあったな」と思っていたら、新聞の一面に「赤井英和の娘、デビュー」と書かれて……。

ファースト写真集発売の際に、「赤井英和の娘、デビュー」と発表された(『強く、気高く、美しく 赤井沙希・自伝』より)

 当時は言わない約束だったのに、事務所がリークしちゃったんですよね。「言わへんって言ってたやん」と憤った一方で、その写真がめっちゃ盛れていたんですよ。それはちょっと嬉しかったです。