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「藤井八冠に挑む若手の壁になる」「過去20人しかいない天鳳位」将棋と麻雀の“二刀流”プロが目指している“路線”とは

「藤井八冠に挑む若手の壁になる」「過去20人しかいない天鳳位」将棋と麻雀の“二刀流”プロが目指している“路線”とは

井出隼平五段インタビュー #2

2023/11/24
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強い人とやる方がモチベーションが上がる

――鈴木九段の麻雀については、どのようにご覧になっていますか。

井出 論理に裏付けられている打ち方をしつつ、鈴木先生が通っていた雀鬼流のスパイスが利いていると思っています。私がプロになった時は「ああ、なったんだね」と言われたくらいで、鈴木先生と麻雀について話す時は技術的な内容が多いですね。

――2つの勝負の世界で生きている醍醐味はどのようなものでしょうか。

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井出 強い方と戦うことですね。私は自分より下の人とやるほうが精神的にはイヤで、強い人とやる方がモチベーションが上がります。

――強い人と戦い続けて、結果として負けが続くとモチベーションが下がるということはありませんか。

井出 極端に負かされ続けたことがないので、どうなんですかね。奨励会二段時代に、1年で2度Bを取った時くらいでしょうか。その時はなぜ勝てないのかと思って、詰将棋を始めましたが、Bを消したらこれでいいと思って、詰将棋もやめました(笑)。

ユーチューブが普及活動の一助になれば

――将棋界の二刀流というと、公認会計士試験に受かった船江恒平六段もいらっしゃいます。プロ棋士が将棋以外のジャンルでも活動する二刀流は、これから続くと思いますか。

井出 藤井八冠は別としても、若くて勝っている人はみんな将棋ガチ勢で、研究会を1ヵ月に2桁やっているという感じです。私は週1ペースなので並でしょうね。将棋以外に趣味で何かをやっているというのはあちこちから聞きますが、二刀流までというとどうでしょうか。

――トーナメントプロとしての活動と、いわゆるレッスンプロの普及活動との両立についてはいかがですか。

井出 私の普及活動というと、解説に呼んでいただいたときにしゃべるくらいですね。将棋教室をやろうかとは考えたことがありません。あとは小規模ながらユーチューブで配信活動を行っているので、それが普及活動の一助になっていればいいと思います。

――どうもありがとうございました。

 

写真=山元茂樹/文藝春秋

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