心療内科に電話して嗚咽まじりに号泣
――思い描いていたグラドルの姿と違ったんですね。
川村 仕事に対するモチベーションも全然違うんですよ。1人の仕事だと夢に近づくためにアドレナリンが出て、テンションは高いんですけど、3人での活動だと私がメインなのに1人だけテンションが低くて。そこもすごく申し訳ない気持ちがあって。だんだんと心が病んでしまいました。
――川村さんにとってものすごいストレスだったんですね。
川村 声が出なくなったこともありました。たまたま歌番組に出させていただく機会があって、歌はもともとみんな下手だったんで口パクだったんですけど、私たちの決まりの挨拶だった「○○さん元気出して、ファイトファイトファイト」というキャッチフレーズの声援がストレスで出なくなっちゃって……。
ピンクのキラキラしたコスチュームを着ているアイドルのメインの真ん中にいる女の子が、顔面蒼白で息も切れている。自分でもやばいと感じてました。
そして忘れもしない渋谷の駅で、当時はまだ携帯電話がなかったので電話ボックスの中に入ってタウンページを開いて、渋谷区内の近くの心療内科を探して電話をしたんです。
受付の人に「どうしましたか?」と聞かれたら「仕事に行きたくなくって」と電話口で嗚咽混じりにわーっと泣いてしまって。「大丈夫ですか。そこから近いですから病院に来てください」と言われて。
病院ではお医者さんに「木の絵を描いてください」と言われました。絵を見て心理状態を判断するやり方があって、私が描いた絵を見たお医者さんが「川村さん、大丈夫ですか。あなた、うつ病になっていますよ」って。
うつ病だと事務所に伝えたら「そんなに嫌だったら解散しよう」となって、私のせいでグループが解散になってしまったんです。
撮影=細田忠/文藝春秋
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