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自衛隊が過酷な訓練を続ける大きな理由
今回の矢臼別にやってきたMLRSも155mm榴弾砲(FH-70)も本来は九州を管轄する西部方面特科隊に配備されており、わざわざ大分の湯布院駐屯地などから北海道まで陸路、海路を通じ運んできているのである。
そんな長距離機動も訓練の一環である。
「レゾリュート・ドラゴン23」の主力となった西部方面隊のホームともいえる大分県の日出生台演習場にも駆けつけた。米海兵隊との共同訓練でもかのジャベリンミサイルの射撃は中止されたものの、ジャベリンと同じく個人携帯用の国産の01式軽対戦車誘導弾(ATM)や中距離多目的誘導弾(ちゅうた)、さらには16式機動戦闘車の105mm砲の実弾射撃も行われた。空には史上最強の攻撃ヘリと言われた陸上自衛隊のAHー64通称「アパッチ」が舞い、地上では砂煙を上げながら疾走した自衛隊の96式装輪装甲車から米海兵隊員が飛び降り素早く展開しては小銃、機関銃の一斉射撃と、日出生台の丘に銃声と砲声が轟いた。
再度、言うとくで。ワシが今回取材した彼らは「戦争のための訓練」をやっているのではない。「周りの敵国に対し、精鋭さを見せつけ、戦争を起こさせないための訓練」を続けているのである。
撮影 宮嶋茂樹
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