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月島 私の親が心配したんです。「子どもの名字はどうすんの?」みたいな。まわりにはシングルマザーで子どもを育てている人も結構いるし、私自身収入もあるし、別に結婚しなくてもよかったなと思っていたんですけれど。

──旦那さんとしては幸せでしょうね。

月島 そうなのかな……。ただ、旦那は私と恋愛観が全然違って。私と再会するまで300人くらいの人と遊んだらしく、数をこなしてやっと好きな人が見つかったらしいです。最初に付き合ってお別れするときも、向こうは「イイ女はほかにもいるわ」と思っていたらしいんです。

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女性300人の頂点に立った月島さん(画像:本人提供)

──300人……! そこから選ばれたのが月島さんだった、と。

月島 すごいですよね(笑)。「最後に会いたいのは私だ」と思ったみたいで。「これでダメだったら俺はもう一生遊んで暮らす」という気持ちで連絡してきたらしいです。私もちょうど子どもが欲しかったので、需要と供給が一致したんですね。

──それで無事44歳の時に出産に至るわけですね。

月島 そうですね。40歳を超えて、人生でできることを逆算するようになったんですよね。若い時は何もしない時もあって。2~3日、ずっと寝ていたり、ずっとゲームしたり。

 でも40歳になったら、出産もそうですが、人生でやれることが限られてくるじゃないですか。「もう人生半分ぐらいしかない」って考えたら、残された時間でやりたいことを叶えるには、どうしたらいいかなと考えるようになりましたね。

40歳で変なこだわりがなくなった

──40歳がターニングポイントだったんですね。

月島 そうですね。若い頃は「あれがしたい」「これが嫌だ」と、我慢が利かないところがありました。例えば20代のころは「好きな人と結婚するんだ」と思っていたんですけど、この年になったら、必ずしもそうしなきゃいけないと思わなくなりました。そうなると、いろいろなものが簡素化されたんです。

──変なこだわりがなくなった、と。

月島 そうなんですよ。いろんなことを経験したおかげか、恥ずかしいことも減ったし。自分の欲望に対して回り道せずにいろんなことができるようになりましたね。

 もちろん好きな人と結婚して、愛を育めれば一番いいんでしょうけれど、時間がかかるじゃないですか。女性はだんだん卵子も減ってくるし……。そうなったら「そんなに結婚願望もないし、必ずしもしなくていいや」と思ったんです。

「夫は嫌いじゃないですよ(笑)」 ©三宅史郎/文藝春秋

──妊活としては特殊な方法ですが、他人におすすめできますか?

月島 考え方を切り替えられるならいいんじゃないですか。あとで悲しい思いを自分がしなければ。「やっぱり好きな人と結婚すればよかった」と思わなければいいと思います。あ、私も夫は嫌いじゃないですよ(笑)。居心地はいいです。怒らないので。ただ、割り切れないと難しいかもしれないですよね。こういうやり方は。

――旦那さんは「父親」としては、いかがでしょう?

月島 え? 父親としては……いいんじゃないでしょうか? 息子をお風呂にも入れてくれるし、構ってくれるようにもなりました。子育てし始めの頃は、どうしたらいいかわからなくて、「子どもを見て」と言っても、ケータイをいじくりながら目視しているだけだったんです。でも、「見てるだけじゃなくて、遊んだり、お話してあげたりして」と教えたらできるようになりました(笑)。