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 稽古場の雰囲気は「めちゃくちゃ、楽しいです!」と声を弾ませる。

「草彅さんは現場に入る時に、『おはようございますっ!!』ととにかく元気な少年のよう。年齢の垣根を気にしない、楽しいことが好きな人たちが集まっている感じです。それは劇中でも同じで、収穫祭の場面は、みんな生き生き楽しそうで。死と闘っている人の勁(つよ)さを意識してますね」

草彅剛さん ©文藝春秋

 本作は、劇作家北村想さんによるオリジナル作品。ユーモアに満ちた台詞術と、独創的で叙情性豊かな世界観が高く評価される北村さんだけに、志羅と小夜の物語も一筋縄ではいかない。

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「ずっと離れているふたりを繋ぐのは、言葉。言葉によって互いの感情が見えてくる。北村想さんの、宝石のように美しい言葉をキャッチしていただけたら嬉しいです」

 やがてシラは恋文を認(したた)める。「輪廻の恋」の行方は――。

 映画のヒロインとしてデビューしてから10年。俳優としてだけでなく、歌手としても活動の場を広げている。

「良い作品、役者さん、スタッフさんと、年々仕事が楽しくなった10年でした。デビューの頃だったら、この『シラの恋文』は正直難しくてできなかった。その時々の自分にあった作品に出会えていることは嬉しいなと思います。ずっと回りながら成長している感覚。輪廻のような巡り合わせかもしれません」

おおはらさくらこ/1996年、東京都生まれ。日本大学藝術学部映画学科卒業。2013年、映画『カノジョは嘘を愛しすぎてる』でスクリーンデビュー。14年、シングル「サンキュー。」で歌手としてソロデビューし、15年、NHK紅白歌合戦に初出場。23年、読売演劇大賞杉村春子賞を受賞。歌手活動と並行して、数々のTVドラマや映画へ出演。

INFORMATION

舞台『シラの恋文』
12月9日~17日、京都・京都劇場にて。その後、福岡、東京で上演予定
https://www.siscompany.com/produce/lineup/shira/