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どうしても気になることが…

 空港の広大な敷地を中心に、小さな工場が軒を連ねる工業地帯としての八尾南。古く大正村、はたまたそれ以前の木の本・太田などの小さな村があった時代からの昔ながらの町がある八尾南。そして、駅の北口には、だだっ広い空き地の向こうに大きなマンションが並んでいるのが見える。これもまた、八尾南駅のひとつの風景だ。

 

 で、どうしても気になってしまうのは、駅の北側に広がる巨大な空き地。古い地図と照らし合わせると、かつてはこのあたりまで八尾空港の敷地で、格納庫などが置かれていたようだ。空港は陸軍時代に拡張され、そのときには駅のすぐ東側を南北に走る道路はいったん地下道にされている。

 戦後、空港が縮小されたことで道路は再び地上に出て、広い空き地もそのまま取り残されてしまったというわけだ。きっと、八尾南駅とそれを取り巻く車両基地がここにできたのも、八尾空港の跡地があったからなのだろう。

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 とはいえ、駅を出てすぐ北側に広大な空き地というのはいかにももったいない。その中にぽつんと建物があるが、これは駐輪場。巨大な空き地の中にぽつんと駐輪場。荒れ地になったかつての空港敷地は、いったいこれからどうなるのだろうか。再開発で工業地帯をつくるのか、それとも巨大なショッピングセンターか。もしかしたら、数年後の八尾南駅はまた新しく、もうひとつの顔を見せているのかも知れない。

写真=鼠入昌史

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