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9割以上の日本人がO脚になり、ひざの内側の軟骨が減っている

 日本では9割以上の人が「O脚(内反膝)」になってひざの内側の軟骨が減っています。そして5%くらいの人が「X脚(外反膝)」になってひざの外側の軟骨が減っていて、残りはリウマチによって、内側も外側も減っています。

 つまり圧倒的に、脚がO脚に変形して、ひざの内側の軟骨だけが減り、痛みを訴える人が多い、ということです。

 ちなみに初期では、O脚やX脚になっているかどうかはよく履いている靴のかかとを見てチェックできます。O脚の場合、外側に体重をかけて歩くため、外側ばかり偏って減ります。逆に、X脚では内側ばかり減ります。

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 O脚やX脚の兆しが見られたら、姿勢の崩れや歩き方を改善し、ひざへの負担を減らすことが大切です。

 たとえ自覚はなくても、猫背や巻き肩、ストレートネックなど「姿勢の崩れ」があるなら、O脚になり、ニワトリ歩きになっている可能性が高いです。無意識にひざが「外側」に傾き、足の親指が浮いた歩き方になっていないでしょうか。

©AFLO

 また、X脚になっていて、無意識に「内側」に傾き、足の小指が浮いた歩き方になっている場合もあります。先述の「靴のかかとチェック」でそれがわかりますね。

 ニワトリ歩きを脱却してひざにいい歩き方へと変えていきましょう。

 本書でご紹介する歩き方は、姿勢を正し、O脚やX脚の改善に役立ち、ひざへの負担を軽減する好循環のきっかけになる歩き方ですから、ぜひマスターしてください!

O脚さんは内転筋の使い方がポイント

 まずはO脚さんのための歩き方から。O脚で、ひざの内側関節にトラブルや不安のある人は「内転筋」という筋肉群を大いにはたらかせて歩きましょう。名付けて「内もも歩き」です。

 

 どのように歩くのか、くわしい歩き方は3章で写真とともに紹介します。

 ポイントは、歩く前に、座ったままひざに手を置き、体重をかけて“普段のひざの状態とは逆”の親指重心の練習をすること。足の小指を浮かせて着地するのを、まずは座った姿勢でやってみます。これで「からだを正しく使う」コツを感じてください。

 親指重心になるときはたらく筋肉が「内転筋」です。

 内転筋という筋肉群は文字どおり「内転させる筋肉群」で、内転とは太ももを閉じる動きであり、「股関節と連動して股を閉じる」ことです。大腿骨にくっついている筋肉群で、この筋肉群が弱ると大腿骨が外転(内転の逆、外側に開くこと)・外旋(外側に向かってねじれること)し、いわゆるガニ股になり、O脚が加速してしまいます。

 つまり、内転筋が弱る=太ももは外旋し、О脚コースへまっしぐらとなるわけです。