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しかし、どうにか定年まで勤め上げることができた人であれば、定年する頃にはそこそこの年収になっていたでしょうし、それなりの退職金ももらったはずです。さらに厚生年金も企業年金も悪くはありません。

みんな口では「お金がない」と言っていますが、それは外に向けてのエクスキューズで、実際はそれほど貧しくないのではないでしょうか。

あるアンケート調査では半数の高齢者が「自分は豊か」と答えているようです。

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少なくとも、子どもが自立して、住宅ローンも払い終わっているなら、老後にそれほど大きなお金は必要とはしないでしょう。

また、私のいろんな本で書いていますが、貯めたお金は自分のために使うべきです。子どものために残しておく必要はありません。

お金は動けるうちに使ったほうが、自分のためになる

老後のお金の使い道は、旅行でもよいし、外食でおいしいものを食べるのもよいでしょう。でも余裕があるのであれば、よい服を買うことも私は提案したいのです。

こんなことを言うと、「老後が心配だ」という人がいるのも事実です。確かに何歳まで生きるのかは予測がつかないので、貯金を減らしたくないという気持ちはわからないでもありません。

また、もっと年をとったら、介護される立場になるかもしれないから、そのときのためのお金をキープしておいたほうがよいのではないか? という人もいるでしょう。

でも、実は要介護になっても、寝たきりになったとしても、意外にたくさんのお金はかからないのです。

それは介護保険が受けられるというだけでなく、寝たきりになれば、娯楽にお金を使うことができませんし、食事にもお金を使う必要がなくなるからです。

つまり、体が動かなくなってからは、お金を使う機会そのものが減るということです。

逆にいえば、お金は動けるうちに使ったほうが、自分のためになるということです。

老後のための蓄えがある人なら、それを定年から死ぬまでの前半戦で使うつもりにならないと、使いきれずに寝たきりになってしまうかもしれません。