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「私人逮捕の力ずく」はどこまでOKなのか…自称「正義のユーチューバー」の法的に許される範囲を弁護士が解説する

source : 提携メディア

genre : ニュース, 社会

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例えば、電車やバスなどで乗客の顔を撮影してマナーの悪さを指摘する投稿が拡散されることがありますが、投稿の書き方や載せ方によっては名誉毀損になり得ますし、勝手に投稿するだけでも肖像権侵害になり得ると私は考えます。

若者が面白がって投稿する内容の多くはセーフではなく、親告罪(※被害者からの告訴がなければ検察が起訴することができない犯罪の種類)などの理由により「野放し状態」になっていると考えたほうがよいでしょう。つまり、被害者が投稿を見つけて告訴すれば、逮捕されるリスクが高まるということです。

最後に、私人逮捕系にかかわらず、街中で動画を回している配信者に絡まれた時の対処法をお伝えします。

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相手に関わらない、取り合わないのが一番ではあるのですが、もしそれでも付きまとわれた場合は、毅然(きぜん)とした態度で警察を呼ぶことをおすすめします。しつこくされたからといって撮影しているカメラをはたいたり、相手を突き飛ばしたりすると賠償を要求される場合があり、得策ではありません。

自分が法的リスクを犯さないためにも、まずは関わらないこと。それでもしつこく絡んできたらすぐに通報して警察へ助けを求めること。この方法が一番安全です。

正木 絢生(まさき・けんしょう)
弁護士
大阪府生まれ。慶應義塾大学法科大学院修了。弁護士法人ユア・エース代表。株式会社TSUNAGU取締役。第二東京弁護士会所属。bayfm「ゆっきーのCan Can do it!」にレギュラー出演するほか、ニュース・情報番組などメディア出演も多数。YouTubeやTikTokの「マサッキー弁護士チャンネル」にて、法律やお金のことをわかりやすく解説、配信中。TikTok
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