ーー“白金台のマンション”って響きだけで、なにやらすごそうです。
Amateras 本駒込のマンションも結構広いマンションだったんですけど、それよりも広いマンションに住みたいということもあったそうです。白金台のマンションは、15階建てで1世帯につき1階みたいな作りで。1階といってもメゾネットというのかな。僕ら家族が住んだ部屋自体は、3階建てになってるんですよ。
福沢諭吉の理念を叩き込まれた慶應幼稚舎時代
ーー自分の意志で慶應義塾幼稚舎に通うことを決めたのでしょうか。
Amateras 幼いなりに「お父さんの学校に行きたい」という気持ちはありました。父が中等部から慶應で、ことあるごとに「慶應はいいところだよ」みたいなことを言われていたので。
イタリアに残って現地の小学校に進むこともできたんですけど、そういう話を聞かされているうちに、僕も「慶應に行きたいな」って。だから、日本に戻って慶應に入ったのは、家族3人の意志でもありますね。
ーー慶應幼稚舎って、どんな感じですか。漠然とした質問ですが。
Amateras とりあえず、生徒数はそんなに多くないです。1学年、4クラス。ひとつのクラスに36人で、男子が24人、女子が12人。
普通の学校は1年2組とか3年4組とかだと思うけど、慶應幼稚舎はK組、E組、I組、O組になるんですよ。ようするに、KEIOになってる(笑)。で、僕はO組で。
ーークラスごとの個性ってありましたか。
Amateras ありましたね。本当かどうかは知らないですが、「K組はお医者さんの子たちのクラスだ、E組はなんとかの子たちのいるクラスだ」って話はありました。僕がいたO組は、「学者の子たちがいるクラスだ」って聞きましたけどね。
ーーお母さんが大学で教えていたから、本当かもしれませんね。学年が上がるごとに、クラス替えをするんですよね?
Amateras 1年生から6年生まで、6年間でクラス替えは一切ないです。担任の先生も一切替わることがない。で、他のクラスの人としゃべっちゃいけなくて、他のクラスに入ることも禁じられている。
部活動で一緒になって話すことはありますよ。でも、「仲良くするな」という感じですね。
ーー小学校だと、「みんな仲良くしましょう」的な教育方針を取りそうなものですが。
Amateras おそらく、クラス内でガッツリ仲良くさせたいんだと思います。福沢諭吉先生の教えで、そういうものがあるんですよ。
慶應って、福沢諭吉の理念が教育にしっかりと反映されていて。諭吉先生の理念である「独立自尊」を叩き込まれたし、諭吉先生の自伝で『福翁自伝』ってのがあるんですけど、それも読みまくりましたね。
あと、テストの点数が良かったり、なにか褒められたりすると、鯛焼きをくれるんですよ。だから、「あいつは鯛焼き3匹で、こいつは鯛焼き1匹。俺は鯛焼き2匹か。ということは、あいつの点数は良かったんだ」って、クラスメイトの成績が鯛焼きの数でわかってしまう。なんでこんなことをするのかっていうと、福沢諭吉が実際にそうやって勉強を教えてたらしくて、いまもそれが受け継がれてるんですよね。