グッチのスーツに身を包み、イタリア生まれや慶應義塾幼稚舎出身といった“金持ち”ぶりを打ち出したスタイルで鮮烈な印象を与えた、ラッパーのAmateras(27)。

 華麗な経歴を誇り、ラッパーとしての活躍が期待されるものの、2018年に大麻取締法違反で逮捕された。

 そんな彼に、中学高校で在籍していた慶應ラグビー部での活躍、巨額のおこづかいの使いみち、ラグビーの道に進むのをやめた理由などについて、話を聞いた。(全3回の2回目/続きを読む)

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Amateras(27)

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ラグビーで感じた「楽しさ」

ーー高校時代にラグビーで花園ベスト16まで進んでいますが、慶應のラグビー部にはいつ入ったのですか?

Amateras 小学5年生です。慶應のラグビー部は、5年生から入れるんですよ。それまでは、世田谷ラグビースクールってところに通ってて。

 小2か小3のとき、親にそこへ連れて行かれたんです。親としては、慶應といえばラグビーみたいなのがあって僕にやらせようと考えたらしいんですけど、始めてみたら楽しくて。「じゃあ、学校の部活はラグビー部にしよう」って、世田谷ラグビースクールをやめて入部したんです。

ーーどういった部分に楽しさを感じたのでしょう。

Amateras 「活躍できた」ってことが強いんじゃないですかね。僕、足は速かったけど、器用じゃなかったから、サッカーをやってもパッとしなかったんですよ。でも、ラグビーはボールを蹴るんじゃなくて、抱えて走るので、そこが自分には合ってたんです。

ーーラグビーはチームワークが重視されると思いますが、みんなと息を合わせることは苦ではなかったのですか。

Amateras 小学校のときは、ぜんぜん苦ではなかったです。高校ぐらいから、変わってくるんですけど。とはいえ、小学生の時点ですでに問題児扱いはされていました。

 ほんとに低学年の頃なんですけど、幼稚舎に遊園地って呼ばれるブランコや滑り台が置かれた場所があって。そこで泥水をたくさん作って後輩にかけちゃったりとか。いじめってレベルではなくて、人を傷つけてやろうって考えもなかったんですけどね。性格的に「やっちゃ駄目だよ」って言われたことを、片っ端からやっていくみたいなところがあって。

 まわりは決まったことをきちんと守れる良い子ばかりなんですけど、僕はそれができなくて。先生も僕に対して「コラー!」と怒るわけじゃなくて、「それはいけないよ」と毎回注意する感じでした。

 問題児とか異端児扱いはされていたものの、小中高すべて成績は良かったし、ラグビー部でまぁまぁ活躍してたし、作文や絵のコンクールで賞を獲ったり、演劇もやってたから、目の敵にされるようなことはまったくなかったです。僕、本名が松沢伊知哉っていうんですけど「伊知哉は変わっているから」みたいな。