グッチのスーツに身を包み、イタリア生まれや慶應義塾幼稚舎出身といった“金持ち”ぶりを打ち出したスタイルで鮮烈な印象を与えた、ラッパーのAmateras(27)。
華麗な経歴を誇り、ラッパーとしての活躍が期待されるものの、2018年に大麻取締法違反で逮捕された。
そんな彼に、“金持ち”ラッパーというスタイルの確立、大麻所持による逮捕、今後の展望などについて、話を聞いた。(全3回の3回目/最初から読む)
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「いま振り返ると、完全な中二病だったんですよね」
ーー高3で『BAZOOKA!!!』(BSスカパー!)の人気コーナーだった「高校生RAP選手権」のオーディションを受けていましたが、それがラッパーとしてのスタートに?
Amateras 僕、それには落ちて出られなかったんです。ラッパーのダースレイダーさんと仲が良くて、「来なよ」って声を掛けてくれたのでオーディションを受けました。
ーーダースレイダーさんとは、どのようなきっかけで親交を。
Amateras いまはもうやってないんですけど、「SCHOOL OF RAP」っていうイベントがあって。ダースレイダーさんが主宰で、“スクラ”って呼ばれてたんですけど、ラップが好きだったから、高校のときにそれに参加して、学校の帰りに通ってたんですよ。
ほかのみんなはストリート感全開で「イェイ、イェイ!」みたいなノリのなか、僕だけ制服を着て、リュックサックを背負って「どうもお疲れ様です」って感じで(笑)。「なんだ、こいつ?」みたいに見られてたけど、ダースレイダーさんから「君、面白いね」って声を掛けられて。それで「高校生RAP選手権」のオーディションにも誘われたんです。
ーーオーディションには落ちたとのことですが。
Amateras 「顔を出さないほうが面白いだろうな」って考えたんです。それと「ラップだからこそ、言葉で勝負だ」ってのもあって、麻袋をかぶって、目のところに穴を開けて行ったんですよ。そうしたら、審査員の方に「なんだって、君はそんな格好してるの?」って訊かれて、「僕、こういう感じでやっていきたいと思ってます」と答えたら落ちましたね。「麻袋をかぶってたのがいけなかった」って言われました(笑)。
いま振り返ると、完全な中二病だったんですよね。イロモノに見られたいというか。当時のライブとか、麻袋かぶって、ボイスチェンジャー使ってデスボイスみたいな声を出してやってたりして。いまでは、まったく考えられないスタイルなんですけど。