ーー懲役3年、執行猶予5年の判決でしたが。「重いな」と感じました?
Amateras あんまり分からなかったですね。ただ、もう二度と捕まることはないだろうなと。もう絶対に大麻はやらないと思いましたから。いまは、そういった仲間とは連絡を一切取っていませんし、なんとなくお酒もタバコもやめていて。やっぱり、当時は「別にハッパぐらいならいいかな」みたいなのがあったんですよね。
ーー逮捕されたことで、慶應大学のほうからは「退学してくれ」と。
Amateras 言われました。まぁ、大学にはほとんど通ってなかったですからね。
ーー逮捕された当時、「慶應大学で退学になると、学歴がすべて抹消されて、最終学歴が幼稚園卒になる慶應ルールがある」なんて噂がSNSを中心に流れましたが。
Amateras それは嘘ですね。普通に大学中退になります。
ーー2019年から『戦極 MC BATTLE』に出場してラッパーとして再活動しましたが、逮捕などを経てリリックが変わったりは。
Amateras そんなに変わらなかったですね。最初の頃は相手から逮捕のこととか言われてたけど、絶対に言われるだろうなと思ったし。逆の立場だったら、逮捕なんて格好のネタだから言わざるをえないじゃないですか。
お金持ちで良かったことは「経験」
ーー現在、東京を離れて一人暮らしをしているそうですが、これまでの生活からは考えられなかったこと、驚いたことってありますか。
Amateras 「洗濯、掃除、そういうのするの?」みたいな。実家ではお手伝いさんがいたので、洗濯機とかどう使ったらいいのかわからなくて。だから、母が来た時に「このボタンを押すんだよ」とか、いろいろ教えてもらって。いまはできるようになってますけど、電気代とかガス代とかもよくわかってないですね。とりあえず、請求書が来たものは払ってます。
ーー現在、活動のメインはラップになるわけですか。芝居や小説のほうは?
Amateras はい。でも、どうですかね。一部の方からはお芝居の話しか来なかったりするし。できることはなんでもやりたいとは思ってます。
小説に関しては、パソコンで暇なときに書けるじゃないですか。いまのところ、そんな感じでいいんじゃないかなって。
ーー最後にお金持ちで良かったことって、なにかありますか?
Amateras 経験じゃないですかね。いい経験がいろいろできていると思います。人生って、長ければ80年か100年ぐらいありますよね。そのなかで、ずっとひとつの場所で生きるんじゃなくて、いろんな場所に行けるし、いろんな見方ができる。
なにか美味しいものを食べたら、その食べ物が生まれた国に行って、その発祥について理解できる。なにか映画を観てハマったら、舞台になっている国に行って、その映画について多角的に深掘りできる。あと、友達関係も変わってくるでしょうし。いまだに幼稚舎からの友達とはガッツリ仲良くて、会っていますしね。
写真=杉山秀樹/文藝春秋