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ーー「言葉で勝負だ」の真逆になってしまった。

Amateras 映画とかに出てくる敵キャラとかラスボスみたいな雰囲気も出したかったんですけど。あと、スリップノットとかマスクしてるバンドがいるじゃないですか。ああいうのもいいなって。ただ、フィットしなかったし、自分もいろいろ中途半端でしたしね。

差別化を狙った“金持ち”ラッパー戦略

ーー2016年8月に開催された「超ライブ×戦極 U-22 MC BATTLE」に参加して、そこで“金持ち”“高学歴”を売りにしたスタイルが注目されます。「俺の友達出席簿、樋口、野口、福沢諭吉」や「奴らが一生かけても舐めれない 蜜の味が俺らの日常 甘い that for me 漂うMy soul 金で越えてく現実とghetto」といったリリックは、ほかのラッパーとの差別化を狙ってのスタイルだったわけですよね。

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Amateras はい。僕がラップをやっていくうえで、ほかの人と違うことはどこだろうなと考えたんです。高校まではお金持ちの子がまわりにたくさんいたけど、大学に進んでラップするようになったらお金持ちがいない、みたいな。ペットボトルのお茶も買えないってくらいにお金がない人もいたりして。しかも、みんな貧乏であることを歌うんですよね。「俺は這い上がってきたんだ」とか「俺はどこまでも伸し上がってやる」とか。

 そういう部分が僕には当てはまらないので、「ちょっと違うな」って思いを抱いていて。

ーーそうした“ラッパーはハングリーな状況に置かれていないといけない”的なものに対する、コンプレックスみたいなものは。

Amateras なかったです。海外だと、そういうラッパーはいっぱいいるんで。もともとお金持ちで、ラップをやっている人たちが。

ーー過去のインタビューでは、Amaterasを“お金持ちラッパー”というキャラクターとして捉えているとも言っていますしね。グッチにハマって、ステージでグッチのスーツを着ていたのも、そのキャラゆえのことだと。

 

Amateras キャラクターでもあるし、戦略でもありますね。「そっちのほうが面白がられそうだな」ってのもありました。実際、お金持ちキャラで出ていった当初は、上の世代の方たちには面白がられましたよ。それこそダースレイダーさんもそうだけど、Zeebraさんとか。

 Zeebraさんも、幼稚舎から慶應だったから「いいね」って言ってくれて。