「ウェザーニュース」のキャスターで芸能界デビュー
でも当時の料理研究家って世襲制が多かったと思うんですよね。親が有名な料理研究家でその子どもとか、家族に有名人がいる方しかいなかったんです。
私はそうじゃないし、どうやったら料理研究家になれるか考えたときに「まずはメディアに出ればいいんじゃないか。そのためには東京に行かないといけない」と思って、劇団に入りました。そこで、劇団仲間が持っていた雑誌に「ウェザーニュース」のキャスターの募集があったんです。
――あまり知られてないですけど、森崎さんの芸能界デビューは「ウェザーニュース」のキャスターだったんですね。今やキャスターがアイドル的な人気となっていますが、大先輩なんですね。
森崎 かなり初期だったと思います。キャスターだったんですが、編集も自分でやるんですよ。撮影が30分ぐらいで、それが終わると編集を2時間ぐらいやってましたね。今から考えるとYouTuberみたいですよね。3か月間、お給料のほかに、家賃を全額補助してもらえるという契約でした。
料理教室とメディアの仕事で多忙の日々
――3か月の契約が終わるとどうしたんですか。
森崎 その上京をきっかけに、東京で頑張ろうと思って。ツテはないので就職雑誌で管理栄養士の募集を見つけて、面接を受けてという感じでした。そこからつながって雑誌やウェブサイトでいろんな栄養関係の記事を書いたりレシピを紹介したり、ヘルシースイーツを考案して飲食店に卸したりして過ごしていました。
そのときから、料理教室もやってました。自分で公民館みたいな場所を借りて、募集をかけて。その傍らメディアの仕事もやる、みたいな感じですごく忙しかったです。
――その頃の気持ちについて「しがみついてでも東京に残ろうとしていた」と以前話していますね。
森崎 そんなこと言ってたんだ(笑)。覚えてないですけど、自分でも頑張ったなと思いますね。ブランド物とか服とかに執着が全くなくて、就職してからずっとお金を貯めてたので、その貯金を取り崩して頑張ってやってました。