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「岩手のスターといえば、大谷翔平か小山怜央」2度の不合格、それでも“県で最初の将棋棋士”がデビューできたわけ

「岩手のスターといえば、大谷翔平か小山怜央」2度の不合格、それでも“県で最初の将棋棋士”がデビューできたわけ

2023/12/25
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クリスマスは将棋漬け、年末年始は実家でのんびり

遠山 これからクリスマス、年末年始とありますが、どういう過ごし方をする予定ですか?

小山 クリスマスの12月25日は西山朋佳さんと竜王戦の対局があります。あと24日は研究会。クリスマスはがっつり将棋をやりたいと思います(笑)。

遠山 今は、それがいちばんいいですかね。

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小山 はい。

遠山 では、よいクリスマスになるよう、みなさんも応援していただければと思います。年末年始は?

小山 去年は編入試験の真っ最中だったので、帰らず一人で勉強していたのですが、今年は帰って実家でのんびり過ごしたいです。

遠山 それがいいですね。では、最後にこの本を出した感想など、話していただけますか?

小山 今回、本を書くうえで今までのことを振り返り、いろんな経験をしてきたとか、いろんな方のお世話になったことを思い出すことができてよかったなと思っています。ぜひみなさんにも手にとっていただければと思います。今日はどうもありがとうございました。

「読む将」の聖地になりつつあるジュンク堂池袋書店にて

イベントに参加して感じた、小山四段の真面目で実直な性格

 最後、将棋ウォーズについての質問があった。小山四段は3分切れ負け八段、10秒将棋七段という驚異的な強さで有名なのだが「Odenryu」というハンドルネームを公開していることでも知られる。この名前の由来を聞かれると

「ポケモンに《デンリュウ》というポケモンがいまして、私、なんでもかんでも《お》をつけるのが好きなんです。その好きなポケモンに《お》をつけてちょっと上品にしている風なんです」

 と答えて、会場の大きな笑いを誘っていた。

 イベントに参加して感じたのは、小山四段の真面目で実直な性格だ。答えは決してすべてスマートというわけではないが、どんなことにも懸命に答えようとする姿に、見ていた多くの人が応援したいという気持ちになったのではないだろうか。多くの人にお世話になったと語っていたが、きっとその人たちも小山四段の人柄に触れてそうしたのだろう。

「クリスマスも将棋漬け」と語っていた小山四段。クリスマスの対戦相手は、剛腕ぶりでファンも多い西山朋佳女流四冠である。きっと多くの将棋ファンにとって大きなクリスマスプレゼントとなる面白い対局になるにちがいない。イベントに参加して、これから小山将棋を見るのがいっそう楽しみになった。

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夢破れ、夢破れ、夢叶う

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小山 怜央

時事通信社

2023年11月28日 発売

「岩手のスターといえば、大谷翔平か小山怜央」2度の不合格、それでも“県で最初の将棋棋士”がデビューできたわけ

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