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そんなメインストリートを10分ばかり進むと、またも鳥居が見えてきた。これも大山阿夫利神社に関する鳥居かな……と思って近づくと、「伊勢原大神宮」とある。大山阿夫利神社とはまた別の、伊勢原の市街地の守り神か何かだろうか。
せっかくなので参拝しつつ、由緒書きなどを眺めてみる。どうやら、この伊勢原大神宮こそが、伊勢原の町の原点になったようだ。
大山の玄関口「伊勢原」と“お伊勢さん”の知られざる関係
具体的にいえば、江戸時代の初め頃に伊勢出身の商人がこの地を開拓。伊勢神宮から祭神を勧請して伊勢原大神宮を建立した。「伊勢原」の名前は、出身の伊勢にちなみつつこの地一帯が原野だったことによるものだという。
伊勢原大神宮の創建は1620年。これが伊勢原の町としての興りになっている。町の中を歩いていると、ところどころの街灯に「祝 伊勢原開村四〇〇年」と書かれていた。
2020年が、伊勢原大神宮創建400年の節目にあたり、伊勢原が始まってからも400年、というわけだ。大山の存在感があまりに大きいが、伊勢原の町は大山阿夫利神社ではなく伊勢原大神宮の門前町としてスタートしている。
そんな伊勢原の町は、江戸時代に庶民の間で盛んになった大山詣りの拠点となって発展する。たとえば江戸から大山までの大山道(矢倉沢往還)は、いまの国道246号だ。
また、鎌倉・藤沢方面(東海道)や御殿場方面からも大山道が伸びていて、伊勢原でそれらが合流して一大拠点になっていったのだ。1927年に伊勢原駅が開業し、旧市街地は駅前の市街地という側面も兼ねていまに続いている。