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 少しずつお客は減ってゆくものの、やはりあいもかわらずそれなりに混み続けている小田急線で新宿駅からざっと1時間。ホームから階段を登って橋上駅舎の改札を抜ける。改札の正面にはドトールコーヒーがあって、立ちっぱなしで疲れた足を休ませるにはうってつけ。実によくできた駅である。

 出入口は北と南に。メインの出入口は大山方面へのバスのりばも置かれている北口だ。といっても、人の流れはどちらも同じくらい。駅の周囲は東も西も関係なく市街地として発展しているのだろう。ひとまず北口に出て、町を歩こう。

駅を出ていちばんに目に入ってくる大きなアレ

 駅を出て、いちばんに目に留まるのは大きな鳥居だ。もちろん大山阿夫利神社の大鳥居。この駅が、大山の玄関口であることは、こんなところからもよくわかる。バスのりばの傍ら、柵で区切られた駅構内には「大山阿夫利神社」「大山登山下車駅」と大書された看板も立っている。

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 鳥居というのは潜るようにできているので、迷わず大鳥居を潜って先にゆく。鳥居の迫力に比べればかなり細い路地が続いていて、その道すがらには昔ながらの屋上遊園地にありそうな乗り物遊具がずらり。

 アサヒショッピングセンターという商業ビルの入り口で、近隣の学校の名前があちこちに書かれていることから、きっと学生服の取扱をしているお店なのだろう。

 この路地はすぐに県道61号に出るのだが、その手前にもいかにも古めかしい鮮魚店などが並んでいる。大山参詣の玄関口として賑わっていた昭和の名残なのだろうか。もっとシンプルにいえば、昭和の駅前風景がいまも伊勢原駅にはかすかに残っている。

中央通りを西に向かう。10分ばかり進むと…

 ここからは県道61号線、中央通りと名付けられた道を西にゆく。古い商店街の面影を残す店もありつつ、真新しいチェーン店も建ち並ぶ。人通りもクルマ通りも多く、いかにも伊勢原のメインストリート。脇に入れば細い路地沿いに住宅地。古い住宅も目立ち、この町の歴史が長いものであることをうかがわせる。