全国47都道府県を人口の多い順に並べると、いちばん上にくるのはもちろん東京都だ。約1400万人が暮らす、押しも押されもせぬ圧倒的な首位である。
で、2番目はどこか。大阪、と思っている人も少なからずいそうだが、正解は神奈川県。約920万人が暮らしている。横浜・川崎・相模原と、みっつも政令指定都市があるのだからさすがのひとことだ。
ちなみに、埼玉県は5位、千葉県は6位。つまり東京を中心とした首都圏だけで上位6位までの4都県を占めているのだから、それはもう、人口集中なんてレベルのお話ではない。
それはともかく、今回はそんな日本第2の県・神奈川県だ。どんなにたくさんの人がいる神奈川県にも、村がある。人口約3000人、ほぼ全域が丹沢山地の山中にある、清川村だ。神奈川県民920万人のうち、たったの3000人。もちろん神奈川県内で唯一の村だ。いったい、どんな村なのだろうか。
神奈川県“唯一の村”「清川村」には何がある?
公共交通機関で清川村に向かうルートはほぼひとつしかない。小田急線本厚木駅前から出ている神奈川中央交通の路線バスだ。本厚木駅前から清川村役場まで、バスに揺られて約30分。
本厚木駅が新宿駅から50分ほどだから、東京都心からはざっと1時間半。東京都の本土で唯一の村・檜原村が2時間弱かかるから、実はちょっとだけ清川村のほうが近いということになる。
そんなわけで、本厚木駅からバスに乗る。村に向かう、つまり丹沢山地に分け入ってゆくバスだ。だからお客はあまりいないだろうと高をくくっていたら、案に相違して混んでいる。座れないほどではないにしろ、老若男女のさまざまなお客が乗っている。