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神奈川県“唯一の村”「清川村」には何がある?

920万人都市の“横浜の西、箱根の東”#2

2023/12/25
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メインストリートからチラホラ見えるものが。あれは…

 県道60号、つまり清川村のメインストリートを行ったり来たり歩いてみる。だいたいこの村に外から訪れる人のほとんどは、クルマでやってくる。だからなのか、クルマ通りはなかなか多い。

 道の駅の脇に設けられている駐車場も出入りが盛んで、さらにはバイクで山道を駆けるツーリングの皆様の姿も目立つ。

 

 いかにもハイキングらしい服装をしているグループもちらほら。外国人観光客の姿も見かけたが、彼らはクルマではなくきっと路線バスでやってきたにちがいない。

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 普段は都心で暮らしていて、休日には空気のきれいな山の中でリフレッシュ。路線バスだろうがマイカーだろうが1~2時間で来られる山間の村は、そうした場所として実にふさわしい存在なのだ。

 メインストリートは小鮎川を見下ろす一段高いところを通っている。だから、ところどころでは川べりを見下ろすことができる。川沿いも田畑と集落で、古民家カフェの類いもある。

 目に留まるのは、茶畑だ。清川茶といって、地域の特産品になっているらしい。村立の小中学校は県道よりもさらに一段高い場所にあり、清川村はアップダウンとともにあるような山あいの村であることを教えてくれる。

 県道をしばらく登ってゆくと、蛇行する小鮎川を渡る橋がある。橋のたもとには「暴走運転すぐ110番」の看板が。

 

 道はよく整えられていて走りやすく、それでいてカーブにアップダウンを繰り返す山道だから、バイクを走らせるにはうってつけなのだろう。だからときどきやり過ぎてしまう人が出て、村の人たちを困らせているのかもしれない。