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 方法はいくらでもある。同級生や古い知り合いに「いやあ、最近どうしてるかと思ってさ」とか言いながら電話してみてもいい。もともと仲がよかったかどうかは、気にしなくていいんだよ。70を越えたら、向こうだって昔馴染みと話をするのが嬉しいんだから。「久しぶりに飲みに行くか」なんて話になるかもしれない。

女性が多いサークルに入れば、モテまくって生きる喜びを感じられる

 住んでる市町村や区の広報を読んでみると、地域にあるいろんな趣味のサークルが参加者を募集している。史跡めぐりのイベントなんかも、けっこう頻繁にやってる。最初の一歩として、そういうのに参加してみるのもいいんじゃないか。

 70代がやりそうな趣味というと、囲碁や将棋、麻雀あたりが思い浮かぶけど、このへんはある程度上手じゃないと肩身が狭い。負けてばっかりじゃ面白くないしね。しかも、たいていは男がほとんどだ。すぐに行く気をなくしちゃうよ。

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©文藝春秋

 俺がお勧めしたいのは、手芸とかレース編みとかフラワーアレンジメントとか、女性が多いサークルだね。料理もよさそうだ。俺の知り合いで70代からダンス教室に通い始めたのがいる。50人ぐらい女性がいる中で男は数人らしい。大勢のダンスの相手をしなきゃいけないのはたいへんだけど、とにかくモテると言ってた。

 男が少ないところ、男を大事にしてくれるところに行けば、ちょっとぐらい口下手でも、向こうからあれこれ話しかけてくれるよ。同年代の女性はとにかく自分が話したい人が多いから、あんまりしゃべんない男のほうがいいんじゃないか。

 惚れたはれたとかは関係なくても、女性と話すと男は元気になるからね。モテまくれば、生きる喜びを感じられる。せいぜいプレイボーイ気分をあじわってくれ。

 それにしても、どうして俺に相談しようと思ったんだ? メンタルクリニックに行って「気力がないんです」と言えば、お医者さんは何か病名をつけて、薬を出してくれるだろう。きっと、そういうことを望んでるんじゃないんだよな。

 少しぐらい強引でも、とにかく背中を押してくれる、気合いを入れてくれる、そんな存在を求めたのかもしれない。ほんとはカウンセラーとか相談員みたいな人は、俺みたいなのがなるといいんだよな。ただ、こういうタイプはあんまりいないし、ズケズケものを言うから、すぐ問題になりそうだけどね。

 何はさておき、人とのつながりを作ろう。人がどうしても苦手だったら、独りでやれる趣味を見つければいい。まだ70代なのに、生きる気力をなくすのは早すぎるよ。人間は生きてりゃいいことがあるし、どうせ生きるなら明るく楽しく生きようじゃないか。それこそカミさんが死んじゃって子どももいないなら、誰にも遠慮や気兼ねをする必要がないんだから。