男性からは色街の写真に対してポジティブな反響も
――批判を受けても発信を続けた理由は?
紅子 そういう批判より、応援してくれるコメントのほうが何倍もあったんです。あとは意外だったんですけど、私の発信に対してとくに女性の方がすごく共感してくれて。
――どういう共感がありましたか。
紅子 私の生い立ちとか、あとは性に関してですね。私は幼少期からずっと周りに受け入れられず、それゆえに性や裸の世界に憧れがあったのですが、YouTubeでそういう話をしたら「自分も性に対して同じ思いでいました」とか「自分も子どもの頃からそうでした」というコメントをしてくれる方がいたんです。
男性は私が撮った色街の写真に反応してくれて、懐かしさを感じてくれたり、「こういう歴史があることを初めて知りました」と言ってくれたりする方もいて。そういった意味で、すごくポジティブな反響がありましたね。
ひとつでも多くの遊郭や赤線・青線の跡地を写真に収めたい
――世間には性産業や性文化への偏見もあると思いますが、活動をするなかでそういうのは感じますか?
紅子 私は、誰もが性をオープンにして体を売っていいとは考えていないので、そういう意味では偏見はあって当然だし、むしろ少しくらいあったほうがいいと思っています。もちろん、自分に対する偏見も受け入れています。
ただ、性産業や性文化への厳しい意見がある中でも、そこで生きている人たちが今もいて、過去にもそういう歴史があったのは事実です。だからそれを文化として伝えていくことで、そこで生きている人や過去の歴史にささやかな光を当てていきたいと思っています。
――最後に、今後の活動について教えてください。
紅子 今残っている遊郭や赤線・青線の跡地は、これからどんどんなくなってしまうので、とにかくひとつでも多く写真に収めていきたいです。昨年12月には写真集を出しましたが、それ以外にも、私の写真を通して日本の色街について紹介できるような場を作っていきたいと思います。
撮影=杉山秀樹/文藝春秋
INFORMATION
【写真集出版記念個展】
日程:2024/1/23(火)~2/4(日)
※月曜日は休み
時間:13時~20時
場所:モアレホテル吉原
https://www.moire.co.jp/
入場料:500円(限定プレゼント付)