東京で生活しながら、富山県に住む94歳の母を「遠距離介護」している女優の柴田理恵さん(64)。2023年11月に、柴田さんが実践している遠距離介護の方法などを綴った著書『遠距離介護の幸せなカタチ――要介護の母を持つ私が専門家とたどり着いたみんなが笑顔になる方法』(祥伝社)を上梓し、話題を呼んでいる。ここでは同書より一部を抜粋。柴田さんが、医療法人社団悠翔会理事長・診療部長の佐々木淳さんと対談した内容を紹介する。(全4回の4回目/3回目から続く

柴田理恵さん ©橋本篤/文藝春秋

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在宅でも24時間対応のケアが受けられる地域密着型サービス

柴田 親の介護というと、最初は在宅で訪問介護や看護を受けたり、デイサービスに通ったりして、要介護度が上がってきたら施設への入所を考える場合が多いかと思うんですが、親の状態がどの程度までなら在宅介護はできるものなんですか?

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佐々木 在宅での療養を継続したいのであれば、誰にでもできます。持病があっても要介護5でも、たとえ余命2週間と思われる方でも、自宅で過ごせます。

 ただし、病院ではないので24時間対応で誰かが駆けつけてはくれません。その覚悟が必要です。その代わり、自宅なら自分の意思で主体的に生活できます。

 施設や病院はどうしても入れてもらう感じになるし、生活は管理されます。それが基本的な違いで、それぞれメリット、デメリットがあります。ご本人やご家族が、それをどう考えるか、だと思います。

柴田 施設や病院なら24時間のケアはあるけれど、生活が管理されるので、自分のしたいようには生活できないということですね。

佐々木 そうです。ただし、最近は24時間在宅での生活を支える地域密着型サービスがだんだん増えています。在宅でも病院や施設に入所するのと近いような形で24時間のケアが受けられるようになってきました。

柴田 そんなサービスがあるんですか?