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 もちろん、面白い一面ばかりではない。ラジオでは、多くのアーティストが、彼の才能、そして面倒くさいほどの音楽へのこだわりを語っている。

 大阪のFM COCOLOは、12月16日、午前6時~午後8時、午後9時~11時、KANへの感謝とリスペクトを込めた『KAN 1DAY SPECIAL “Our Favorite Songwriter”』を放送。そのなかで、親交の深かった根本要と馬場俊英は、こう呟いた。

「とにかく、モノを作ることにたいしては、情熱じゃないね、執念だね」――。

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 そして、KANさんが演出を担当したイベント「風のハミング」で、彼が若手もベテランも出場者全員に分け隔てなく見せ場ができるよう、エクセルでガッチリと時間管理をし、その配分はほぼぴったりだった、と回想。

 また、スキマスイッチは、彼らの楽曲の多くに携わる、ヴァイオリニスト弦一徹(落合徹也)に、以前、ストリングスのアレンジが素晴らしい人について聞いたところ「KANさん。完ぺき。非の打ち所がない」と返ってきたというエピソードを披露し、その才能の凄さをしみじみと語っていた。

5thアルバム『野球選手が夢だった。』

最後の書き込みはビートルズの感想

 しかし、なんといってもKANさんといえばピアノ。彼は「愛は勝つ」で大ヒットを飛ばした約10年後、2002年2月にパリに移住し、「エコール・ノルマル・ドゥ・ミュジーク・ドゥ・パリ」ピアノ科(ノン・プロフェッショネル)に中途入学。クラシックピアノを基礎から勉強し直している。(2004年6月修了)。

 学び直しのパリ生活は、本当に充実したものだったのだろう。亡くなる1か月前、10月4日から11日まで、KANさんはパリ旅行を満喫している。なんともおいしそうな料理、パリの街並み、飛行機から見える空の画像がXにアップされ、とても楽しそうだった。

 Xの最後の書き込みは、11月7日。ビートルズの新曲「Now and Then」のミュージックビデオの感想だった。