コダム部屋に入っても、すぐにn番部屋へのリンクをもらえるわけではない。まずコダム部屋から派生したチャットルームに入場する必要があるが、その「派生ルーム」へのリンクは抜き打ちでアップされていた。取材を始めてまだ1日しか経っていなかったが、派生ルームだけでも20個以上あることが分かった。
派生ルームでは国内外のポルノや国内の盗撮データはもちろん、児童の盗撮画像や、分類不能で見たこともないような残忍な動画が共有されていた。派生ルームの新入りたちは、他のメンバーたちが欲しがる画像や動画をアップし、自然と集団に溶け込んでいった。
潜入した派生ルームで流布していた動画や画像は…
1つの派生ルームだけで盗撮画像が1898件、動画が938件、さらに大容量の圧縮ファイルも233件共有されていた。私たちが直接見ただけでもこの量であり、テレグラムの会員同士が個人的に交換している盗撮データもあるはずだ。1日でどれほど多くの盗撮データがアップロードされているのか、とても計り知れなかった。
私たちが潜入した派生ルームでは、年齢や国籍もさまざまな児童への性的暴行動画、トイレやアパートでの盗撮画像、GHB〔ガンマヒドロキシ酪酸。違法ドラッグ〕を飲ませて気絶させた女性に性的暴行を加えている画像や動画などが主に流布されていた。動画の流布とともに、女性に対するセクハラ発言も目についた。ある派生ルームでは、セクハラ的会話に加わらない人を強制退出させることもあった。
派生ルームの管理人は、「隠しカメラの動画をアップすればn番部屋のリンクをやる」「珍しいAVをアップすればn番部屋をやる」などと言っていた。しかし、私たちにそんな動画があるはずもない。どうしようかと悩んでいると、コダム部屋のメンバーの一人が比較的簡単な認証条件を提案した。
「n番部屋のリンクがあるから、入りたい人はプロフィール写真に日本のアニメの女性キャラをセットして連絡すること」
私たちはさっそくポータルサイトで「日本アニメ」と検索し、女性キャラの画像をダウンロードして、テレグラムのプロフィール写真を更新した。彼はすぐにリンクを送ってくれた。私たちはテレグラム加入から時間でリンクを入手し、n番部屋の1つである1番部屋に入室した。