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n番部屋で目にした現実とは思えない動画の数々

 n番部屋への入室と同時に目に入ったのは、子どもたちの裸体だった。コダム部屋と派生ルームの会員たちが口々に言っていた「奴隷」だった。そのほとんどが中学生か小学生に見えた。子どもたちが道具を使って自慰行為をするのは序の口で、刃物で体に「奴隷」という文字を刻み込んだり、公衆トイレや屋外を裸で歩き回ったりしていた(これは「ガッガッ」が子どもたちにさせた行為の一部に過ぎない。2次被害を誘発しないために、特定の被害事例については言及しない)。子どもたちはn番部屋の会員の指示に従って、こうした動画を自分で撮って送ってくるようだった。

 動画を見た私たちは、しばし絶句してしまった。気が遠くなるようだった。これは本当に現実に起きていることなのだろうか……。今、韓国で私たちと同じ時代を生きる人たちの行為なのだろうか……。頭が混乱していた。とても信じられず、信じたくもなかった。そのとき、n番部屋の「お知らせ」が目に入った。

 ここで共有されている子どもたちの動画と画像は、逸脱アカをやっている女の子を脅迫して手に入れたファイルです。言うことを聞かずに逃げた子どもたち(の動画)なので、好きに(流)してくれて大丈夫です。

 子どもたちがn番部屋という監獄に閉じ込められていた。ガッガッという人物が、親や学校にばれるのを恐れる子どもたちの心理を利用して、脅迫したのだろう。脅迫された子どもたちの気持ちを思うと、吐き気がした。テレグラムのチャットルームで、恐ろしい犯罪が繰り広げられていた。私たちの目の前を加害者と被害者、そして性的搾取物がリアルタイムで通り過ぎていった。これを記事にしてやろう、などと、ただ見ているわけにはいかない。まず通報しなくては。

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(画像=『n番部屋を燃やし尽くせ デジタル性犯罪を追跡した「わたしたち」の記録』より引用)

テレグラム・チャットルームの加害者と彼らの精神的支柱

「n番部屋の方が○○女シリーズよりホットですか? n番部屋は一度も見たことがない者です」

「まだ見てないなら、番号部屋(n番部屋)はアツいでしょう。過去のコメントを探せば番号部屋に入れます」

「何ページくらいスクロールアップしたらいいですか? このルーム(コダム部屋)の中を1日中さまようことになりそうです」

「これだけ教えてあげたんだから、自分で探したら。これ以上聞くなら強制退出させます。心臓に毛でも生えているのかな」

 コダム部屋でn番部屋の性的搾取動画を探していたある会員は、ウォッチマンに「流れ者」扱いされていた。前から参加している加害者たちは、「新入り」に対して少なくと3日は黙って空気を読めと脅した。