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「日本の映画ファンが鑑賞できるのは適切」――『オッペンハイマー』日本公開決定後の会見でクリストファー・ノーラン監督らが語ったこと

2023/12/30

source : 週刊文春CINEMA オンライン オリジナル

genre : エンタメ, 映画

note

ロバート・ダウニー・Jr.(共演) 彼は長いこと国家のために仕事をしてきた人ですし、尊敬できる部分はかなりある人なのだと思います。残念なことに、物事は悲しい方に進んでしまうのですが、オッペンハイマーとストロースが、刺々しい間柄になることなく、一緒に協力していったならどうなっていただろうと、僕は時々考えます。この映画で、ストロースは、単純な言葉でいうところの悪者ですけれど。

登場人物が多い理由

――この映画には小さな役でも優れた俳優が多数出演しますね。キャスティングについて語っていただけますか?

ノーラン 脚色の段階で、この映画では、実在した複数の人物を組み合わせて架空のキャラクターを作るということをしないと僕は決めました。そして、出番が少ないキャラクターにもユニークな顔ぶれを集めないといけないとも。マンハッタン計画にさまざまな人々がかかわったというのも、僕がこの話に興味を持った理由なのですから。

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『メメント』からずっと組んできたキャスティング・ディレクターのジョン・パシデラは、この分野で最高の人。彼は、小さな役にも、リチャード・フェインマン、デビッド・クラムホルツ、ジャック・クエイドなどを連れてきてくれました。そしてそれらの役者さんたちは、じっくりとリサーチをし、自分が演じる実在の人物について僕より詳しくなって現場に来てくれたのです。

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ついに決定した日本公開

――日本の映画ファンは今作を見られないままでしたが、来年、ついに公開が決まりました。そのことをどう感じていますか?

ノーラン この映画を見ることに関心がある日本の人たちにその機会ができることになって、よかったです。また、現地の配給会社ビターズ・エンドが、このテーマに対する日本の人々の心情に配慮したアプローチをしてくださることも嬉しく思います。この映画はすでに世界中で公開されました。他の国でどう言われているかを耳にし、観てみたいと思っている日本の映画ファンが観られるようになるのは、適切なことだと思います。そのチャンスは、来年訪れます。

『オッペンハイマー』
監督・脚本:クリストファー・ノーラン/出演:キリアン・マーフィ、エミリー・ブラント、ロバート・ダウニー・Jr.ほか/2024年日本公開予定

「日本の映画ファンが鑑賞できるのは適切」――『オッペンハイマー』日本公開決定後の会見でクリストファー・ノーラン監督らが語ったこと

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