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「鶴見中継所」はどこにある?

 鶴見駅前から大通りを歩いて京急の高架をくぐると、そこには人通りの多い商店街があった。京急とおおよそ並行に走っている道筋で、ここが旧東海道だ。さらに東側には第一京浜(国道15号)が通っており、旧東海道を引き継いでいる。

 ちなみに、箱根駅伝のコースになっているのは道幅の狭い旧東海道ではなく、第一京浜のほう。鶴見の市街地の北側、鶴見川を渡った先が鶴見中継所だ。

 
 
 

 ともあれ、鶴見の中心市街地はこの旧東海道沿いの道筋に広がっているといっていい。あらゆる商業施設が勢揃いしてなかなか賑やかだ。京急鶴見駅のすぐ脇を通っているというのも、賑やかさをもたらす理由になっているのだろう。

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 旧東海道と第一京浜に挟まれた古い路地は、いわゆるかつての“三業地”。現代に合わせた言い方をすれば、風俗街のようなエリアだ。いまもそうした類いの店がいくつかあるし、スナック長屋のようなビルもある。思えば川崎もそうだったし、旧街道筋の繁華街の裏手には決まってこうした施設があるものなのだ。

 

 とはいえ、鶴見の場合は少し事情が違うようだ。というのも、鶴見には東海道の宿場町は置かれていない。川崎宿と神奈川宿の中間に位置し、市場(鶴見川の北側、箱根駅伝中継所のあたり)やキリンビールのある生麦付近は立場(宿場と宿場の間の休憩地)となっていたが、鶴見駅前周辺はむしろまったくの寒村というほうが正しい。

 

 そんな鶴見に、いったいどうして市街地と三業地が生まれたのだろうか。