さらにいえば、武蔵野線も鶴見駅が起点だ(鶴見~府中本町間にはほとんど貨物列車しか走らない)し、相鉄線と埼京線の直通列車は鶴見駅を過ぎたところでトンネルに入って内陸に向かう。
つまり、鶴見駅は京浜東北線が停まるだけ、などといいつつも、首都圏の鉄道ネットワークにおいては実に大きな役割を果たしているということになる。30万都市の玄関口だけにとどまらない、唯一無二の存在なのだ。
いざ東口に出ると…
とはいえ、駅そのものは小ぶりである。京浜東北線のホームは1面2線。橋上通路からは鶴見線のホームに直接通じ、さらに東口と西口それぞれの改札を持つ。東海道線などの線路が広がっているので、東口の改札までは長い通路を歩かねばならぬ。
その造りは、エキナカも煌びやかな真新しい駅とは一線を画し、どことなく武骨な雰囲気が漂っている。鉄道ネットワークの要衝にして、鶴見の町の沿岸部には工業地帯。そうした背景が、鶴見駅に武骨で殺伐とした雰囲気をもたらしているのだろうか。
などと思って東口に出る。すると、そんな武骨なイメージは一変した。鶴見駅の東口にはCIAL鶴見という駅ビルが建ち、広々とした駅前広場の傍らにはホテルもあれば鶴見区の区民文化センター(サルビアホール)。
バスが行き交う広場の向こうには、高架で走ってやってくる京急鶴見駅が見える。JR鶴見駅と京急鶴見駅の乗り換えは、駅前広場を歩いて渡ってざっと10分もかからないだろう。