地下鉄に揺られること約25分。降り立ったホームは…
ここでようやく、本題である。福岡市内の大動脈・地下鉄空港線の終着駅にして、直通するJR筑肥線との境界駅、姪浜。いったいどんな駅なのだろうか。
福岡空港駅から地下鉄で、まずは博多、そして天神、大濠公園。PayPayドームの最寄り駅である唐人町などを過ぎて、およそ25分で姪浜駅に着く。地下鉄らしくずっと地下を走り、姪浜駅の手前で一気に地上に出て高架にまで駆け上る。
姪浜駅で空港方面へ折り返す電車もあるからホームは2面4線と構内は広い。ここまでが地下鉄、ここからがJRという境界らしさは……ホームにいる限りはほとんど感じることはできない。
というより、姪浜駅は誰もが想像するような大都市郊外のベッドタウンらしい駅である。東京で例えるならば、高円寺や阿佐ヶ谷あたりをイメージしてもらえばいいだろうか。
行き交う人もその町で暮らしているのであろう人たちがほとんどで、高架下には商業施設。駅の南北にも駅前広場を取り囲むようにして商業ビルが建ち並んでいる。チェーン店が目立つ辺りも、大都市郊外の駅らしい特徴といっていい。
南口に向かうと「青い大波をかたどったオブジェ」が
こういう駅に、北と南のどちらが中心などという話もあるまい。というわけで、ひとまず南口に出る。
南口の駅前広場には、青い大波をかたどったオブジェが置かれている。「ドラゴン・キング・ラビッツ」というらしく、中国の龍王うさぎの伝説をモチーフにしたのだとか。全国津々浦々、駅前にはいろいろなオブジェが置かれているが、その中でもなかなかインパクトの大きい部類に入るのではないか。
そんな駅前広場から少し高架沿いを歩くと、高架を貫いて南北に通る姪浜大通りに出る。角には福岡市西区の区役所があり、道沿いにはいわゆるロードサイド系の店舗がずらり。
この道を少し行ったり来たりするだけで、日常生活に必要なものはほとんど揃うに違いない。駅前から少しずれた場所を通るこの道が、姪浜のメインストリートなのだ。