もはや民間のボランティアの手に負えるレベルではない

 今回の震災被害に遭った住民と被災地に対する一刻を争う人命救助と復旧を一層困難にしているのは、震源地と被災地が半島の先端に集中している点とこの寒さである。まるで被災民にさらに鞭打つがごとく降り注ぐ非情な雪はただでさえ限られたか細きルートのうえ、裂け目と段差だらけの路面の危険を覆い隠し、緊急車両の通行をさらに阻み、不肖・宮嶋の現場入りすらためらわせる。今、我らが首相までもが、不要不急の民間人の被災地入りを思いとどまるよう呼びかけている。それぐらい被災地に通じるルートは細く、かつそれゆえすさまじい渋滞をひきおこしている。それでも徐々にであるが、支援物資は届きつつある。

 しかし、それでも忘れ去られたように、支援が行き渡らない孤立集落がいくつもあるはずである。それらはもはや民間のボランティアの手に負えるレベルではない。悪路を乗り越え、時には水や食糧、支援物資をかついで徒歩でいやはいつくばって被災地に向かい、それでいて自らで食って、寝て、出すという自己完結能力を有するのは専門の車両、機材、装備にその能力を備えている自衛隊、警察、消防などふだんからその訓練を続けている組織でしかない。

 雪ががけや木々、家屋に降り積もり重くなると、さらなる土砂崩れ倒木、倒壊につながり、さっきまで安全だったとこが危険にさらされることにもなる。そうなると2次災害を生むおそれも充分ある。

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 トイレや真水、さらに発電機の重要性はすでに新聞テレビで報道されている通りである。さらに輪島市に2度に渡りはいり、2度ともパンクを経験した不肖・宮嶋が実感したのはタイヤの重要性である。そのため2度とも渡らずともよい危険な橋を渡らざるをえなかった。燃料、とくに暖や灯り、スマホの充電に必要な車や発電機の燃料、ガソリンや軽油不足は徐々にであるが、おさまりつつあり、現在は輪島市でも制限はあるものの、調達可能になった。しかし、燃料があってもタイヤがパンクしてしまうと、動きがとれん、避難もできんのである。タイヤは接地面こそわりかし丈夫やが、側面は極めて弱い。つまり能登半島全域に存在するアスファルトの地割れにタイヤを落とすと即パンクである。

不肖・宮嶋が一番伝えたいこと

 タイヤ側面が破れるとパンク補充剤も修理も効かぬ。さらにホイールまで傷める可能性も高く、そうなると、ホイールごと交換になる。当たり前やがJAF(日本自動車連盟)も保険会社のロードサービスも来ない。この記事を目にされたタイヤーメーカーの皆様はぜひ支援を検討されるよう不肖・宮嶋、お願い申し上げる。

 再度言う。能登は必ず復興する。

 不肖・宮嶋の写真がその参考の一端になれば幸いである。願わくはこんな悲劇を二度と見なくて済むよう、少しでも被害が小さくなるように。