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久里浜方面に向かう線路は1本だけ(つまり単線)。のりばは1面2線だが、久里浜方面と繋がっていない線路がひとつ設けられている形だ。そして、ホームから改札口までは階段も何もない、完全なるバリアフリー。一切の障害物に足を取られることなく、改札口を抜けることができる。
ただし、バリアフリーだからといって新しい駅舎だと思ってはいけない。横須賀駅舎は、1940年に建てられたものだ。そのとき、横須賀駅は横須賀線の終点だった。久里浜駅まで延伸したのは1944年のこと。だから、横須賀駅の雰囲気は、終着駅時代のそれをいまも残しているということなのだろう。
駅舎を見上げると「海軍の町の玄関口」らしい光景が
海軍の町の玄関口らしく、横須賀駅の駅舎の上には錨とかもめをかたどったマークが掲げられていて、出入口の脇には海軍カレーのマスコット「スカレー」もお出迎え。そして駅前は……バスがずらりと並び、高架の道路が横切っている以外には、ほとんどなにもない。
駅前広場の傍らには駅を出た電車がすぐに通過する踏切があり、そのままトンネルの中へ。踏切を渡った先には、横浜と横須賀を結ぶ国道16号が通っている。クルマ通りは多く、道沿いには大きなマンションも見える。しかし、肝心の横須賀駅前は、およそ37万人都市の玄関口とは思えないような、うらぶれた雰囲気なのだ。
駅前を横切る高架道路は、有料道路の横浜横須賀道路と横須賀市街を結ぶ本町山中道路。駅のすぐ東側で国道16号と合流する。この高架道路の下を潜ると、大きな軍艦(艦艇)が目に飛び込んでくる。手前にあるのは海上自衛隊横須賀地方総監部、横須賀湾の向こうには米海軍の船も並んでいる。