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京急側の「横須賀のもうひとつの顔」

 どぶ板通りの東の端から横須賀中央駅に向けては県道26号線。歩道に屋根の架かった商店街を兼ねていて、いわば横須賀のメインストリートといっていい。ここにも戦艦三笠から名を頂いた「三笠ビル商店街」という商店街がある。

 東側の国道16号との間には百貨店のさいか屋があり、横須賀中央駅までやってくれば駅の裏側には商業施設のモアーズ。駅前広場の脇からは、スナックが集まるレトロな歓楽街「若松マーケット」が伸びる。このあたりまでやってくれば、もう軍港都市の面影はほとんど感じられないといっていい。

 

 外国人の姿が多かったり、「ドルが使える」などというポスターがあったりするのは米軍基地があるからだろう。とはいえ、いまや日本中どこへ行っても外国人がいるから、あまり特別な印象もない。特別感があるのは、若松マーケットのスナック街の真ん中に小泉進次郎先生のポスターがあること、くらいだろうか。

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 いずれにしても、軍港都市の玄関口だった横須賀駅に対し、京急の横須賀中央駅はごく普通の地方都市の玄関口らしい賑わいを持っている。横須賀のふたつのターミナルは、役割が分かれているのだ。

 

軍港から始まった町の「山側」にあるもの

 横須賀の町は、横須賀駅を玄関口とした軍港からはじまった。ただ、もちろん軍港だけで町が成り立つわけがない。なので、軍港都市として成長するとともに市街地も形作られた。

 ただ、横須賀のある三浦半島は山また山で、平地がほとんどない。たとえば横須賀中央駅のすぐ西側はもう急坂になっているくらいだ。