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江戸時代まで、いまの横須賀駅周辺はただの寒村に過ぎなかった。それが、ヴェルニーさんがこの地に目をつけたことをきっかけに、あっというまに軍港都市となり、都市化が進んだ。鉄道も通った。いわば、横須賀市街の生みの親。そうしたことを顕彰して公園の名前にあてがわれたのだろう。
むろん、戦前は今以上に軍港都市としての雰囲気が強く、横須賀駅も殺伐としていたに違いない。バリアフリー設計の駅舎も、ホームからそのまま軍港へと物資や人を効率的に輸送するためだったのだろう。
横須賀駅は1997年に「階段のない人にやさしい駅」として関東の駅百選に選ばれている。戦争の時代に設計された駅舎が、時を経て「人にやさしい駅」になるというのは、歴史の因果というべきか。
ヴェルニー公園沿いを東にいくと雰囲気が…
ヴェルニー公園沿いを東に歩く。高架の本町山中道路と国道16号が合流する辺りでヴェルニー公園は途切れ、市街地らしい雰囲気になってくる。
海沿いには民間造船会社跡地の再開発で生まれた大型商業施設。その脇にはURの大型団地が並ぶ。さらにその先、国道を東に歩けば三笠公園へ。日本海海戦でバルチック艦隊を倒した連合艦隊旗艦・戦艦三笠にちなんだ記念公園で、いまも戦艦三笠が保存されている。
国道の南側に入ると、京急の汐入駅から横須賀中央駅にかけて、横須賀の中心市街地が広がる。スカジャン発祥の地として名高いどぶ板通りは、汐入駅の東側、国道16号の一筋南側で横須賀中央駅方面とを結んでいる。