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「しぶそばをどう成長させていきたいですか?」と訊いてみた

 イベントが余りに面白いので危うく取材するのを忘れそうになってしまった。慌てて株式会社東急グルメフロントのイベントの企画運営者や商品開発の方、そして代表取締役に「しぶそばをどう成長させていきたいですか?」と訊いてみた。

●司会進行役で本イベントのキーパーソン大橋智洋さん

「しぶそば」をそして私たちの仕事をもっとお客さんに知ってもらいたい。そのために今回のような心に残るエモーショナルなイベントを開催して、「しぶそばファン」の裾野を広げていければと考えている。もっとエモい店でありたいと願っている。

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本イベントのキーパーソン大橋智洋さん

●商品開発の要の浅野豊彦さん

 駅そばはささっと食べて忙しない場所であるけれど、それでも、「しぶそば」が少しでもくつろいでほっとするような場所になるように努力してきた。店を明るく清潔にして、座席を増やして女性が一人でもふらっと食べて一息つけるような場所として使ってもらえるような工夫を心がけてきた。

 商品開発もきちんとした生麺を開発し、二葉の時代からの伝統的なつゆの味を守りつつ改良を加えて今の味になっていった。駅そばといえども老舗のそばのような粋な味を、今後も多くの東急沿線の利用者に提供して行きたい。メニュー開発も頑張りたい。

商品開発の要の浅野豊彦さんと菊名店店長(左)

●「しぶくまくん」に似ているとうわさの代表取締役・山口総一郎さん

 小学3年生の時から立ち食いそばを食べて来た。それだけ思い入れがある。「しぶそば」という思い出や場面をお客様の心にもっと残していってもらいたい。大衆そばや立ち食いそば屋は最近閉店も多いが、なくなることは決してない。「しぶそば」はそんな厳しい時代でも、どうやってお客様に受け入れてもらえるかを常に考えてきた。それは決して無駄になることはない。

 他の駅そばともスタンプラリーやイベントを通じてコラボしたり、また切磋琢磨して、愛される駅そばになって行きたい。2023年夏に行ったスタンプラリーでは全制覇した人が800人を超えた。それだけ、駅そばファンがいるということを弊社を含め各社が改めて再認識したと思う。幸い駅そば同士で競合することはないので、お互い知恵を出し合って、情報交換しながらフレンドリーな関係を築くことができる。その分お客様に受け入れられるようなお店の雰囲気やメニュー開発に注力できる。

「しぶそば」はファンと一緒に成長し、ファンとのコミュニケーションを大事にする。ファンの声を聞いて成長していく。これからもこうしたイベントは続けて行きたい。多くのファンの参加に感謝感激している。

代表取締役山口総一郎さん

今回のイベントに参加して分かったこと

 今回の「しぶそばナイト」に参加して、ふと2020年9月に「本家しぶそば」が閉店した時のことを思い出した。担当者や伊達翔店長の挨拶、そして真摯な対応に感銘を受けたのである。