1月13日、台湾では総統選と立法院選(国会選挙)の投開票がおこなわれた。総統選は頼清徳が勝利、いっぽうで小選挙区比例代表並立制(ただし日本のような重複立候補はなし)をとる立法院選は、与党が比例得票では上回ったものの、小選挙区で取りこぼしが多数。民主進歩党(民進党)51議席、中国国民党(国民党)52議席、台湾民衆党(民衆党)8議席と、議会で与野党が逆転した。なお、小選挙区などで選出された無所属2人を除き、国会は上記の3党で独占された形である。
そんな結果を受けつつ、私は比例代表における各党(今回は16政党が参加)の順位と得票率を眺めていた。議席に届かなかった比例第4位は、得票数で主要3党に大きく水を開けられたものの、前回の選挙では3議席を得ていた時代力量だ。だが、それに続く第5位に「小欧盟」という見慣れない党名があった。しかも、政党のロゴマークが限りなくゆるい。なんだこれ。
検索して調べてみると、この政党の正式名称は「小民参政欧巴桑聯盟」(こども参政おばさん連盟:Taiwan Obasang Political Equality Party)。欧巴桑は台湾語(標準中国語とは異なる台湾の福建系方言)で、もとは日本統治時代に日本語から流入した語彙だ。意味はもちろん「おばさん」である。余談ながら、中華民国教育部のホームページでは「欧巴桑」の実際の台湾語での発音を聞くことができる。