──まず、「欧巴桑(おばさん)」を党名に冠した理由は?
ユーロン 台湾で「おばさん」というと、小うるさくて、ケチで……というイメージがあります。でも、これは政治の場では国のお金をムダづかいしないということでしょ(笑)? それに、いまの台湾社会では他人に無関心な風潮が広まって、よその子どもが困っていても目を逸らすような人も多いんですが、おばさんはそんなことしません。なんとかしなさいよと口を出して世話を焼く。今の台湾はおばさんが必要なんです。みんながおばさんになるべきだと思うんですよ。
──党のメンバーや立候補者も、みんなおばさんなんでしょうか?
ユーロン 100人ほどの党員の9割以上が、女性と子持ちのお父さんお母さんです。今回の立候補者は(国政選挙と同時に実施された)区議選に10人、国政の比例代表に3人で、みんな女性です。でも、立候補者になるのは、もちろん男性でも可能ですよ。
──今回の立法院選で票を伸ばしたことで台湾では話題になっていますが。
ユーロン びっくりしました。私たち、活動費もめちゃくちゃすこしなのに。ちなみに、これまで当選者はいないのですが、2018年に最初に地方選挙に参加(正式結党は翌年)した際に、21人の候補者のうちで約7割は供託金が返ってくるレベルの得票ができたので、それなりに手応えは持っていたんですよね。でも、まさか今回の選挙で約12.9万票もいただくとは……。
公園の遊具がクレームで撤去された!
おばさん連盟の母体は、社会活動家の張淑惠が2011年に創設した親子共学会という社会団体だ。ちなみに、日本では社会運動がテーマと無関係なイデオロギーと結びついたり活動自体が自己目的化したりして、 一般人から引かれがちな場合もあるが、 台湾は必ずしもそうではない 。問題解決のためにそれなりに理屈の通った運動をしている限り、社会運動に対する世論の反応は寛容である。党の政策担当のペイリンさんは、おばさん連盟に加わった理由をこう話す。