煌びやかな照明の下、ソファ席にホステスたちをはべらせるストリートファッションの中年男。開店と同時に現れ、高級酒をポンポンと開けながらラストまで豪遊する男は、自称コンサルタントのカミンスカス操(64・旧姓小山)。2017年、大手住宅メーカー「積水ハウス」から約55億円を騙し取った〝地面師グループ〟の主犯格である。
詐欺罪などで懲役11年の有罪判決が確定し、服役中のカミンスカスは、逮捕前の2017年以降、台東区浅草にあるフィリピンパブ「G」に足繁く通っては、散財を繰り返していた。
その度に指名を受け、隣にピタリと寄り添った美人ホステスこそ、後に足立区で高橋徳弘さん(55)、希美江さん(52)夫婦を惨殺するモラレス・ヘイゼル・アン・バギシャ(30)だった――。
カミンスカスは一晩で100万円以上使うこともあった超“太客”
「G」の常連客だった都内の会社員Aさん(50代)が振り返る。
「モラレスの源氏名は“アヤ”。由来かどうかは分からないけど、モデルの大政絢にそっくりな美人でしたね。カミンスカスも、彼女が入店してすぐ、メインで指名するようになりました。彼はスケボーブランド『Supreme』やストリート系のハイブランド『Off-White』のファッションが好きで、『Chrome Hearts』もよく着ていた。フィリピンパブは散財してもせいぜい数万円ですが、カミンスカスの金遣いは次元が違うんです。一晩で100万円以上使うこともある超“太客”でした」
アヤことモラレスは、カミンスカスという“太客”を得て、たちまち「G」のナンバーワン・ホステスに登りつめる。