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《錦糸町ハプバー経営夫婦殺人》55億円詐欺「地面師」を虜にしたフィリピン人ホステス・モラレス容疑者の「ウエディング写真」と“ルフィ事件”との「数奇なリンク」

《錦糸町ハプバー経営夫婦殺人》55億円詐欺「地面師」を虜にしたフィリピン人ホステス・モラレス容疑者の「ウエディング写真」と“ルフィ事件”との「数奇なリンク」

source : 週刊文春Webオリジナル

genre : ニュース, 社会

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「ビザ目的の偽装結婚だから」

 モラレスは結婚の事実について、こう釈明したという。

「ビザ目的の偽装結婚だから。相手(夫)には別の女の人がいる」

 その後、Aさんの足は「G」から遠のいていく。そして2018年の秋。フィリピンの女性に在留資格を取らせるため結婚を偽装したとして、「G」の関係者や偽装結婚した男女26人が逮捕される。偽装結婚の巣窟となっていた「G」が閉店した一方、巨額詐欺事件で捜査の手が迫っていたカミンスカスは、マニラに高飛びした。

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モラレス容疑者の太客だったカミンスカス受刑者が関わった事件の舞台になった旅館 Ⓒ文藝春秋

 また、「G」は大物地面師だけでなく、あの“ルフィ事件”とも接点を見出せる店だった。事情を知る関係者が明かす。

「この『G』の事実上のオーナーは、ルフィ一味の今村磨人らと交流があった。昨年の一連の強盗事件では、ルフィ配下の実行役に犯行資金を提供したとして、警視庁に逮捕されている(後に不起訴処分)」

フィリピンから強制送還された今村磨人容疑者 ©文藝春秋

 他方、アングラマネーを原資とする“太客”を職場ごと失ったモラレスは、人生の歯車を狂わせていく。Aさんが続ける。

「ほとぼりが冷めた後で働いたという上野の店では、あちこちからお金を借りて金銭トラブルを起こしていたそうですが、少なくとも『G』にいた頃は、『お金、お金』という感じではなかったんです。カミンスカスの寵愛を受けていた頃は、月に100万円以上の収入があったでしょうし、生活レベルを落とせなくなったのかもしれませんね……」

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