ーー空手自体に強く惹かれて始めたわけではなかったと。
宮原 「友達がいるから楽しそう」とか「道着、かっこいいな」っていうのが大きかったですね。友達がいた道場じゃないところに見学に行ったんですけど、結構ボコボコになるまでやり合ってるのを見て少し怖くなってしまって。
そうしたら、友達の親戚が空手の道場を始めることになって、その友達から「一緒にどう?」と誘われて。場所も自分が通う小学校の体育館だし、友達もいるからって、なんとなく通っているうちに、その道場に入っていた感じです。
ーー見学したのは極真ですか。
宮原 見学した道場は極真で、入った道場は松濤館です。松濤館は、当てない空手になります。
ダンスとピアノを辞めて空手1本に
ーー習い始めて、どれくらいで空手にハマりました?
宮原 たしか、小学校2年生の6月に始めて、12月の大会で優勝しているんですよ。半年でそこまで行けちゃったので「簡単じゃん」までじゃないけど、「向いてるかも」と勘違いしちゃって(笑)。その大会は小さめの地区大会だったけど、男女一緒の大会で。男女一緒なのに優勝できたことにも、ちょっと自信を覚えたというか。
ダンスとピアノもやってましたけど、そこから空手だけに絞りましたね。ダンスもピアノも両親のすすめで習っていたから、どこか嫌々やっていたのもあったし、優勝とか賞を獲るって空手が初めてだったんですよ。それがすごく嬉しくて、達成感とか充実感がありました。
実際、教室も楽しかったんです。同い年ぐらいの女の子10人ぐらいでやっていて、先生もとても優しかったので。他の道場は「押忍!」で、さらに敬語で、って感じで厳しかったけど、その道場では「先生、こんばんは!」みたいな。いい意味で緩かったので、まだ小さかった私でも楽しく練習に行けていたんだと思います。
ーー道場は、週にどれくらい。
宮原 4年生の時に世界大会があって、そこから週3、週4に増えていきました。小学校5年生の時に全国大会も決まったので、夏休みなんかは週6とかでしたね。
ほんと、空手一本で。両親ともよく話すんですよ。「夏休みなかったよね」って。夏休みって試合とか合宿とかあって、メチャメチャ空手のシーズンなので、旅行なんかもあんまり行ったことがないし。海に行ってどうこうとかもほとんどなくて。
対戦相手が棄権して2回戦まで対戦者がいないことも
ーー小4で出た世界大会は、いいところまで?
宮原 いや、2回戦負けとかでした。1歳上の日本人の子に負けて。5年生で出た全国大会は、全日本少年少女空手道選手権大会っていう、全国から当てない流派が集まる大会で。その東京でやった大会で、優勝まで行きました。で、小5の冬ぐらいに黒帯になったんですよね。