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《アジアカップ》「森保監督は戦術がない」「選手を入れ替えるだけ」と厳しく指摘…城彰二が語る日本代表の問題点と決勝トーナメントの展望

AFCアジアカップ2023・城彰二の視点 #3

2024/01/27
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右サイドバックの毎熊は体がキレキレで、貴重な存在

――インドネシア戦で目を引く選手はいましたか。

 右サイドバックの毎熊(晟矢)は、体がキレキレだし、中への動きがいい。パスを出す際、周囲が良く見えていました。逆サイドが攻撃した際は、ボックスの近くまで行ってゴールにからもうとしていましたし、毎熊と堂安の縦の関係性もいいです。

 こういう関係性は、個人のベースにあるもので作られたものではないので、毎熊の存在はすごく貴重だと思います。

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――グループリーグ3試合は、2勝1敗、8得点5失点。インドネシア戦も終了間際に失点するなど、守備が不安定のままでした。

 セットプレーからの失点が多すぎます。インドネシア戦もロングスローで、ある意味セットプレーですよ。あそこで南野がバックヘッドで後ろにボールをすらすよりも、うしろの選手に前向きでクリアしてもらったほうがいいんだけど、そういう声が果たして出ていたのか。試合終了まで、細かいところを詰め切れていないので、こういう失点は今後の試合でも十分に起こりえるでしょう。

守備の要、冨安の交代後に失点してしまう ©JMPA

森保監督は戦術の引き出しがない

――3試合の森保一監督の采配は、どう見えましたか。

 引き出しがないのかなと思いました。イラク戦は、そもそも前線のユニットの組み合わせが最悪だったし、そのあと、選手を入れ替えたけど、劇的な変化を起こせなかった。ターンオーバー制を敷いて、スタメンの選手でやり切ろうとしたのかもしれないけど、選手を入れ替えているだけじゃ何も起こらない。

 もともと戦術的に、こうしていこうというのがないし、どちらかというと選手に頼っている采配なので、自分からアクションを起こすのは苦手なんでしょう。

――でも、カタールW杯でのドイツ戦では講じた策が当たりました。

 ドイツ戦は、策を講じたら当たったので、何もないわけじゃない。でも、戦術的な拠り所がないので、うまくいかなくなった時、立ち戻れず、修正に時間がかかってしまうんだと思います。

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