内田也哉子が恋愛について、小泉今日子に聞きたかったこと
内田 今日子さんにぜひ伺いたかったことがあって、このように大勢の皆さんの前で聞くことではないとは承知しつつも、抑え切れず(笑)。私は15歳で本木と出会ったから、いわば初恋の相手みたいな人と結婚して、28年以上夫婦でいるわけです。一方、今日子さんはたくさん恋愛されていると思われ……。
小泉 本木さんにも同じようなことを言われましたよ(笑)。
内田 私は夫婦喧嘩して「もう、別れるかもしれない」と母にこぼすと、「相手を変えても何一つ変わらないわよ」と言われたの。
小泉 すごくわかる。
内田 あ、それを伺いたかったんです。恋愛経験豊富な今日子さん、そういう実感がありますか。
小泉 それを実践してしまった感じです(笑)。悪いのは自分なのよ、相手じゃなかったのね、ごめんなさい、って思っています。
会場 (笑)。
内田 他者との共同生活にはもうあまり興味がないですか。
小泉 もともと無理みたい。女性は家庭を守るためにいそいそ働いて、みたいなドラマをたくさん観ていたから、自分でもできると思いたかったけど、この人じゃ無理だったな、この人でも無理だとやっていくうちに、あ、できないのは自分なんだとわかりました。
でも樹木さんと対談したときに私へのアドバイスとして、「あのね、愛する人と手を繋ぐとか、体が触れ合うとか、そういうことをしてほしい。私はそれをしなかったから病気になった気がするの」っておっしゃったんですよ。
内田 ああ、それは本当に母の心からの声ですね。
小泉 確かに、自分の心を柔らかくすることって人と関わることでしかできない気がします。なかなか私にはできないんですが、でも樹木さんのこの言葉を胸に刻んで生きていきます。
そして裕也さんとは共演させていただいたのは16歳のときでしたが、十数年後、下北沢で裕也さんがご自身が主催するNew Year Rock Festivalのチラシを配っていて、たまたま本多劇場で私が舞台をやっていると耳にしたようなんです。楽屋に送り主不明のシャンパンが届いたの。のし紙に「ロッケンロール」って書かれてありました。
会場 (笑)。