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「あったかいご飯を食べていただきたい」

 猫たちが無事に見つかり、「当分戻ってこなくて大丈夫」と伝えていた妻も、田井さんのもとに駆け付けた。父が持っていた、倒壊を免れたアパートの一室を当面の住まいとして、池端シェフの炊き出し班に合流したのだ。

「初日は『復興ごはん』は3食しか出ませんでしたけど、少しずつ増えてきて、今は1日30食以上出るようになりました。存在をもっと知ってもらって、復興支援にきてくださっている方たちに、あったかいご飯を食べていただきたいです」(田井さん)

炊き出しの様子 ©文藝春秋

 記者が購入したハヤシライスを頬張っていると、その横を、前回の輪島滞在時に取材した池端シェフが慌ただしく通り過ぎていく。すれ違い様に、シェフがひと言。

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「美味しいでしょ!」